Initial Claims for Unemployment Insurance Have Surged Among Those Swing States.
トランプ大統領が経済活動の再開に向け踏み込んだ最大の理由はV字型の景気回復が狙いと考えられます。
さもなければ、こちらでご紹介した通り失業率上昇と有事のコンボに見舞われれば、現職の大統領および与党候補は敗北してきた歴史がありますから。
もうひとつ、トランプ大統領が懸念しているはずの数字と言えば、新規失業保険申請件数。過去1ヵ月間で10年分の雇用創出を吹き飛ばしたからだけでは、ありません。
州別の動向をみると、2016年の米大統領選でトランプ氏に勝利をもたらした6つの接戦州のうち、3州で労働人口に占める失業保険申請の比率が極めた高いのですよ。特にミシガン州とペンシルベニア州は、製造業比率がそれぞれ州経済の19.7%、12.4%を占めるなか(全米は11%)、約2割に達しています。経済活動の再開に踏み出したオハイオ州も、14.6%と高水準でした。
チャート:オレンジ枠が2016年にトランプ大統領誕生に与した6つの接戦州、緑は経済活動の再開を決定しつつ、接戦州の6つに含まれる州、黄色枠は経済活動を再開を決定した州
工場閉鎖の影響が重くのしかかるなか、ミシガン州とペンシルベニア州の知事は経済活動に慎重な民主党出身なんですよね。しかもミシガン州のホイットマー知事はバイデン氏が副大統領候補に指名する可能性も取り沙汰されているだけに、外出禁止措置に対する抗議デモが展開されるなかで、どのような判断を下すのでしょうか。
画像:ミシガン州での抗議デモ活動の様子
(出所:Lorie Shaull/Flickr)
ミネソタ州は10万人当たりの感染者数が非常に少ない事情もあり、抗議デモの圧力も加わって経済活動の再開に動きましたけどね・・。
(カバー写真:Becker1999/Flickr)
Comments
4月ベージュブック:新型コロナによる米景気後退は激しく突然に Next Post:
米国で第4弾の新型コロナ対策成立、今回は十分?