Don’t Get Too Pessimistic About Q2 Earnings, Stocks May Still Go Up.
いよいよ米4~6月期決算が今週から、本格化します。14日にはJPモルガン・チェースやシティグループ、ウェルズ・ファーゴなど大手銀がラッシュを迎えますね。
コロナ禍で3月19日のカリフォルニア州を皮切りに外出禁止措置を導入し、4月20日以降になってようやくテキサス州を始め経済活動の再開に入った米国経済。コロナ禍の爪痕は予想以上に深く鋭く、ファクトセットがまとめたアナリスト予想平均では1株利益は前年同期比44.6%減と、2008年4~6月期(同69.1%減)以来で最悪となる見通しです。この数字が実現すれば、過去6四半期で5回目の減益となります。
セクター別での見通しは、以下の通り。4月21日にWTI原油価格5月限がマイナス41ドルに振れた事情もありエネルギーが同149.9%減だったほか、経済活動の停止を受けて米4月小売売上高が過去最悪だったように、一般消費財も3桁減に。その他、資本財や金融が足を引っ張り、公益ですら同1.7%減と全滅でした。
S&P500構成企業のうち1株利益見通しを公表した企業はわずか49社と、5年平均の106社の半分以下にとどまりました。そのうち27社が予想平均以下となり、22社が予想を上回った格好です。
さらに、2020年度あるいは2021年度の見通しを撤回あるいは前期時点での撤回を再度表明した企業は、7月10日時点で185社に及びます。コロナ禍で極めて不確実性に直面する上では、こうなりますよね。
米4~6月期の売上高見通しは前年同期比10.8%減、実現すれば2009年7~9月期(同11.5%減)以来で最大の減収となります。
セクター別での見通しは、以下の通り。ヘルスケアが前年同期比0.6%増と増益となる見通しである程度で、公益の横ばいを除き全て減収となります。最悪はやはりエネルギーで同41.7%減、次いで資本財が同27.6%減、一般消費財が同19.6%減と続きます。
減収・減益は年内いっぱい続く見通しで、2020年の1株利益は同21.5%減、売上高は同3.8%減と予想されていました。
ただし、2021年1~3月期には1株利益が同12.2%増、売上高は同2.9%増と増収・増益への反転が見込まれています。コロナ禍直撃から1年後ですから、当然ですよね。
12ヵ月先の株価収益率は22.0倍と過去5年平均の16.9倍を超え、割高感が燻ります。ただし、アナリストの1年先のS&P500予想平均は7月10日時点から6.3%高の3,351.81。目標株価と7月9日の終値との差から算出される見通しでは、2020年のディープな業績リセッションを乗り越え力強く回復する期待が含まれているもよう。米4~6月期決算自体に悲観的でも堅調な見通しを描いているとは心強いですが、果たして彼らの予想は的中するのでしょうか。
(カバー写真:nakashi/Flickr)
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