Trump Has The Worst Record Job Losses Before The Election, But Will History Repeat?
米9月雇用統計を受け、CNNは「トランプ、選挙前に過去最悪の雇用喪失(Trump has the worst job losses on record heading into the election)」とのヘッドラインを掲げたニュースを報じていました。
コロナ禍という未曽有の事態を受け、トランプ大統領が就任した44ヵ月の間(1月に着任した場合は選挙直前にあたる3年後の9月までの数字)は372.1万人減となり、間違いなく1945年に就任したトルーマン大統領以降、最悪の結果となっています。
チャート:就任してから44ヵ月間の就労者数
しかし、コロナ以前の場合にあたる就任37ヵ月間(1月に着任した場合は3年後の2月)でをみると、トランプ政権は健闘し702万人増となり共和党大統領としてはアイゼンハワー大統領以降、最多だったのですね。
チャート:就任してから37ヵ月間の就労者数
いかにコロナ禍が米経済に大打撃を与えたかが、分かります。
失業率でも、コロナ禍の爪痕がいかに深いかが読み取れます。
チャート:就任時と44ヵ月後の失業率の比較
こうしてみると、失業率が悪化した場合、大統領選で再選できなかった、あるいは与党が野党に政権を奪回されたケースは以下の3件。ご覧の通り、共和党大統領が並びます。ちなみに民主党のカーター大統領は、失業率が就任時と同率でも敗北を喫していました。
・アイゼンハワー(共)
・フォード(共)
・ブッシュ(父、共)
意外にもブッシュ(子)は1953年以降、失業率が悪化していながら再選にこぎつけた唯一の大統領なんですね。
話はずれますが、CNNの報道によれば、オバマ政権1期目の44ヵ月間の就労者数は46.3万人増なんですよ。
ところが、金融危機後の雇用喪失、約720万人減を挽回するまで2014年5月まで待たねばなりませんでした。そう考えると、2009年1月から2012年9月までに雇用がプラスに転じるはずがない。筆者もCNNが参照したソースを使用していたので、不思議に思った次第。トランプ大統領だった、迷うことなく「フェイクニュースだ!」とツイート砲を放っていたことでしょう。
(カバー写真:The White House/Flickr)
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