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米12月鉱工業生産:3ヵ月ぶりに低下、オミクロン株感染拡大が重石

by • January 16, 2022 • Finance, Latest NewsComments Off2201

Industrial Production Surprisingly Edges Down As Omicron Keeps Spreading.

米12月鉱工業生産指数は前月比0.1%低下し、市場予想の0.2%の上昇に反し低下した。3ヵ月ぶりにマイナスに転じた。オミクロン株感染拡大を受け、従業員不足に拍車が掛かり生産活動に影響が及んだ製造業が重石となった。また、暖冬により暖房需要が低下したほか、油価の下落を受けて公益が低下。一方で、鉱業は油価の上昇を追い風に大幅に上昇した。

チャート:前月比での主要業種別、鉱工業生産動向

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(作成:My Big Apple NY)

産業別の前月比は以下の通り。
・製造業→0.3%の低下、3ヵ月ぶりのマイナス<前月は0.6%の上昇
自動車・部品は1.3%の低下、3ヵ月ぶりにマイナス<前月は1.7%の上昇
コンピュータ・電子部品は0.7%上昇、2ヵ月連続でプラス>前月は0.3%の上昇
電気製品は横ばい>前月は0.1%低下し2ヵ月連続でマイナス
非金属鉱物製品(一次金属、組立金属)は1.5%の上昇、2ヵ月連続でプラス<前月は3.0%の上昇
繊維関連は0.1%の上昇、2ヵ月連続でプラス<前月は1.7%の上昇
食品・飲料は0.2%の上昇、4ヵ月連続でプラス<前月は0.6%の上昇
プラスチック・ゴムは1.8%の低下、上昇トレンドから反転<前月は1.3%の上昇
・鉱業→2.0%の上昇、3ヵ月連続でプラス>前月は0.5%の上昇
・公益→1.5%の低下<前月は1.9%の上昇

設備稼働率は76.5%と、市場予想の77.0%並びに前月の76.6%を下回った。コロナ禍直前にあたる20年2月の76.9%の回復から一歩後退した。なお、1990~2021年2月の平均値は78.8%である。

10~12月期では前期比年率4.0%上昇、前年比では3.8%上昇した。

チャート:前月比での主要業種別、鉱工業生産動向

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(作成:My Big Apple NY)

――米12月鉱工業生産は予想外にマイナスとなりましたが、製造業活動は2021年に米経済の回復をけん引してきました。主要な産業別でみるとコンピュータ・電子機器や消費財などコロナ前の20年2月超えが優勢で、回復していないのは自動車・部品や鉱業程度となっています。

チャート:業種別の20年2月比

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(作成:My Big Apple NY)

短期的には、オミクロン株の感染拡大を受け従業員不足が深刻化するなかで、感染者数が減少しない限り1月も伸び悩むリスクをはらみます。1月に気温が低下したため、電力・ガスなど公益が上昇する公算が大きいものの、生産活動をどこまで支えられるか不透明であり、設備稼働率ののコロナ前水準回復にも時間が掛かりそうです。

(カバー写真:International Labour Organization ILO/Flickr)

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