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米6月人員削減予定数は約1年半ぶりの高水準、米新規失業保険申請も増加

by • July 8, 2022 • Finance, Latest NewsComments Off3095

Job Cuts Surge, Jobless Claims Edge Up To Highest Since January.

6月のチャレンジャー人員削減予定数、新規失業保険申請件数をおさらいしていきます。

なお、ADP全国雇用者数はこちらの通り、統計手法の見直しにより発表が中断されています。再開する時期は、8月31日以降となる見通しです。

▽米6月チャレンジャー人員削減予定数、約1年半ぶりの水準へ増加

米6月チャレンジャー人員削減予定数は前年同月比58.8%増の3万2,517人だった。前月比でも57.0%増となり、前年比と合わせて増加に転じた。結果、2021年2月以来の水準へ増加した。

チャート:人員削減予定数、6月は前月比と前年同月比そろって増加

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(作成:My Big Apple NY)

年初来では前年同期比37.3%減の13万3,221人と、1993年の統計開始以来で最低を更新した。一方で、3月に開始したFedによる利上げやインフレ高進を受けて企業が人員削減予定数を増やすなか、4~6月期では7万7,515人増と2021年Q1以来で最多となった。

年初来では減少した半面、特定の業種で人員削減予定数は大幅に増加した。特にFedの利上げや金利上昇、価格高騰など逆風を受け不動産が前年同期比で9倍超に膨らむ。その他、米利上げが逆風となりビットコインを始め暗号資産が急落した事情から、フィンテックも大幅増に。経済の正常化を経て、パンデミック下での特需を失ったテクノロジーのほか、長引く供給制約や金利上昇が痛手となり自動車も弱かった。

チャート:年初来で大幅増となった業種

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(作成:My Big Apple NY)

人員削減が多かったセクターのランキングは、単月で以下の通り。

1位 自動車 1万198人
2位 娯楽 3,704人
3位 不動産 3,445人
4位 サービス 2,784人
5位 金融 2,012人

人員削減が多かったセクターのランキングは、年初来で以下の通り。

1位 ヘルスケア 1万9,390人、前年同期は1万2,260人
2位 自動車 1万5,578人、前年同期は6,111人
3位 サービス 1万2,081人 前年同期は17,977人
4位 娯楽 1万957人 前年同期は1万1,944人
5位 金融 1万800人 前年同期は6,694人

州別動向は年初来で以下の通りで、4位までは人口別でのトップ5に入る州が並んだ。5i位は前月のウィスコンシン州に代わり、ワシントン州が入った。

1位 カリフォルニア州 2万8,692人 前年同期は2万7,734人
2位 ニューヨーク州 1万5,952人 前年同期は8,449人
3位 ペンシルベニア州 9,310人 前年同期は5,224人
4位 フロリダ州 6,229人 前年同期は7,553人
5位 ワシントン州 6,173人 前年同期は3万8,164人

リストラ実施の理由別ランキングは、前月比で以下の通り。供給制約の深刻化や強まるインフレ圧力が影響したのか、コスト削減が1位となった。

1位 コスト削減 1万8,784人
2位 理由不明 5,276人
3位 需要低下 3,281人
4位 市場動向 1,908人
5位 閉鎖 1,908人

リストラ実施の理由別ランキングは、年初来で以下の通り。

1位 コスト削減 3万1,214人
2位 理由不明 2万4,993人
3位 閉鎖 2万4,077人
4位 市場動向 1万6,685人
5位 ワクチン拒否 1万465人

採用予定数は6月に前年同月比6.5%減の10万2,897人となり、年初来で初めて減少した。前月比でも18.4%減と、年初来で3回目の減少となった。上半期では前年同期比29.7%増の71万5,583人だった。

チャート:6月の採用予定者数、年初来で2番目の強い伸び

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(作成:My Big Apple NY)

セクター別では、単月で以下の通り。娯楽と政府以外、年初来で人員削減予定数が大幅増加した業種で目立った。

1位 娯楽 5万815人
2位 政府 2万7,834人
3位 自動車 6,400人
4位 テクノロジー 3,149人
5位 フィンテック 2,500人

採用予定数は、引き続き人員削減予定数を上回った。

チャート:採用予定数は年初から人員削減予定数超えが続く

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(作成:My Big Apple NY)

▽米新規失業保険申請件数、約6ヵ月ぶりの水準へ増加

7月2日週までの米新規失業保険申請件数は23.5万件と、市場予想の23万件を下回った。前週の23.1万件を超え、1月15日週以来、約6ヵ月ぶりの水準へ切り返した。

6月25日週までの継続受給者数は137.5万人と、前週の132.4万人(修正値)を上回った。約2ヵ月ぶりの水準へ増加した。

失業者に占める被保険者の割合は1.0%と、過去最低に並んだ前週の0.9%を上回った。

チャート:米新規失業保険申請件数は、約1ヵ月ぶりの水準へ減少

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(作成:My Big Apple NY)

――米6月チャレンジャー人員削減予定数と米新規失業保険申請件数がそろって増加し、米6月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の伸びが鈍化するサインが点灯しました。ただ、市場予想は27万万人増と前月の39万人増を下回る数字となっていますから、既に織り込み済みでしょう。平均時給の伸びや労働参加率、さらに労働市場の再参入組の動向など、幅広く見ていく必要があります。この辺り、米6月雇用統計後にしっかりフォローしますので、是非お付き合い下さい。

(カバー写真:TheeErin/Flickr)

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