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備忘録:バイデン大統領、「独裁者」発言再び ー 米企業との晩餐会でウィンウィンの関係望むと強調

by • December 5, 2023 • Finance, Latest NewsComments Off3581

President Biden repeats “dictator” remark  -  emphasizes hope for win-win relationship with US companies at dinner party

ブリンケン国務長官の不安が、的中したかのようです。

会談の席についたブリンケン氏は、微笑むバイデン大統領とは対照的に、神経質な表情をみせていました。

ゴールデン・ゲート・ブリッジを背景に撮影した習氏の写真を見ながら両首脳が談笑するなど和やかにスタートし、食事を挟んだ4時間に及ぶ協議は円滑に幕を閉じたようにみえました。事前報道の通り、合成麻薬フェンタニルの生産抑制、2022年11月から中断する国防相会談の再開を含めた軍同士の対話再開で合意を果たし、緊張状態が続く米中関係の改善へ向け一歩進んだ格好です。

しかし、バイデン大統領が臨んだ記者会見の最後のタイミングで、一変します。記者が習近平主席を独裁者と呼ぶのかと質問した際に「その通りだ…共産党主義国家という我々と異なる政治形態率いている意味で、彼は独裁者だ」と答えたのです。

様子を見守っていたブリンケン氏は質問に敏感に反応、バイデン氏の返答を聞きながら神経質そうに手を組み変えていました。横にいたキャンベル・インド太平洋調整官(バイデン氏が国務副長官に指名済み)が右耳の穴に小指を持っていったのは、まさかという思いを表すかのようです。

画像:バイデン大統領の「独裁者」発言を聞くブリンケン氏とキャンベル氏など

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(出所:Moshe Schwartz/X)

2024年の米大統領選を控え、共和党候補が対中強硬路線で統一戦線を敷きます。バイデン氏としては6月にカリフォルニア州での演説でこれに言及したばかりで、意見を変えれば弱腰と攻撃されかねず、共産党体制を理由に「独裁者」と発言したのかもしれません。しかも、米国人の間での対中好感度は過去最低で、ギャラップによる3月公表の世論調査で15%が中国を「好ましい」と回答する程度。日本を訪れた中国系米国人が苦笑いしながら「米国と違って、差別されず過ごしやすい」と吐露していたことが思い出されます。

さて、米中首脳会談が行われた15日の夜は、米中ビジネス協議会と米中関係全国委員会主催の晩餐会が執り行われ、習氏と米国企業幹部の対話が実現しました。バイデン政権からは、レモンド商務長官、バーンズ駐中国大使、インド太平洋調整官で国務副長官に指名されたキャンベル氏が出席したほか、サンフランシスコのロンドン・ブリード市長も参加しました。主な米企業の参加者は、以下の通り。

アップルのティム・クックCEO
ブラックロックのラリー・フィンク会長
ブラックストーンのスティーブ・シュワルツマン会長
ブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオ氏
テスラのイーロン・マスクCEO
セールスフォースのマーク・ベニオフCEO
ボーイングのスタン・ディールCEO
フェデックスのラジ・スブラマニアムCEO
ビザのライアン・マキナニーCEO
ファイザーのアルバート・ブーラCEO

席札によると、米企業幹部のうち最もVIP扱いだったのは、アップルのクックCEOで中国の王文涛商務相の隣に座っていたといいます。一方で、マスクCEOは習氏と個別で会談しテスラの中国開発に支援表明したこともあって、VIPレセプションには出席したものの、晩餐会には残りませんでした。

米企業幹部に送った習氏のメッセージは「ウィン・ウィンの関係」です。席上で「我々にとっての第一の問題は敵対関係にあるのか、それともパートナーなのか、ということだ」と習近平は問いかけた上で「もし相手を第一の競争相手、最も重大な地政学的脅威とみなすなら、それは誤った情報による政策立案、誤った行動、望ましくない結果を招くだけだ」と発言。その上で、終始は敵対関係ではなく、中国は米国とのパートナーシップ、つまり「ウィン・ウィン」の関係を望んでいると強調したといいます。

両国のウィン・ウィン関係の一環として、習氏が話題に取り上げたのは「パンダ」です。最近ワシントンのスミソニアン動物園から3頭のパンダが中国に返還されましたが、中国は再び米国にパンダを送ると方針を表明。「パンダは長い間、中国人とアメリカ人の友好の使者だった…パンダの保護に関する米国との協力を継続し、カリフォルニアの人々の希望に応え、両国民の友好関係を深めるために最善を尽くす用意がある」と述べました。ちなみに、候補にはサンディエゴ動物園が挙がっています。

米中関係は、パンダのように敵か味方か白黒つけられるものではありませんが、少なくとも2024年まではグレーラインで進んでいくのでしょう。

(カバー出所:/Flickr

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