Is Apple Too Matured For More Growth?
アップルの1-3月(第2四半期)決算が23日引け後、発表されました。純利益は前年同期比18%減の95億ドル(9410億円)と、10年ぶりに減益を計上しました。決算発表後からしばらく、時間外取引でアップル株は取引停止に。どうなることやらとブルームバーグのモニターを凝視するなか、約20分後にようやく取引が再開したときには一時5.7%も急騰し430ドル近くまで跳ね上がりました。
通常取引でも1.9%高で引けており、決算前から悲観は後退していた?
では、気になる内容はといいますと。
1株当たり利益→10.09ドル>市場予想9.98ドル
売上高→436億ドル>市場予想423億ドル
1-3月期営業利益率→37.5%<市場予想38.0%、前年同期47.4%、2012年10-12月期38.6%
iPhone販売台数→前年比7%増の3740万台>アナリスト予想3400万台
iPad販売台数→前年比65%増の1950万台>アナリスト予想1800万-1900万台
iPod販売台数→前年比27%減560万台=ほぼアナリスト予想通り
Mac販売台数→前年比2%減の395万台>アナリスト予想390万台
配当→15%増の3.05ドル
自社株買い→500億ドル増の600億ドルへ
主力製品のiPhoneとiPadの販売台数が前年比を上回った背景は、廉価版のiPadミニの効果に加え、iPhone 5発売を受けiPhone 4を値引きした影響が大きいんです。だからこそ、粗利益率も前年比から大きく落ち込んだだけでなく、前期からも低下しました。
グリーンライト・キャピタルのデビッド・アイホーン会長が率先して求めたように、投資家還元策として増配と自社株買いの増額を発表。2012年3月時点は450億ドルの還元を予定してましたが、今回は2015年までで1000億ドルへ引き上げたかたちです。株価が終値ベースで2012年9月最高値から42%も下落し、他ならぬアップル率いるクック最高経営責任者(CEO)更迭説が決算発表2日前に報じられたこともあって、クック船長としても株価上昇の秘策を練り込まねば投資家が納得しないと判断したんでしょう。
以下は、見通し。
4-6月期売上高予想→335億-355億ドル<384億ドル
4-6月期営業利益率→36-37%<1-3月期37.5%
今回、クックCEOは新しいカテゴリー商品の販売開始時期について明言を避けたいとしながら「今秋から2014年まで」発表する予定はないとしていました。これまで何度となく話題になった「iTV」やらスマートウォッチの「iWatch」は、少なくとも半年以上はお預けとなる見通しです。
iWatch、アップルなら卓越なデザインが見込まれる?すでに競争は激化の兆しですが・・。
アップルが主催する世界開発者会議(WWDC)でiPhone 5Sの発表があるかも・・・なんて膨らんだ期待も、しぼませてしまったことでしょう。テック・クランチはすでに、アナリストはWWDCが開催される6月頃の発表を見送るという見方に傾いていたと指摘してましたから、一部では織り込み済みだったかもしれませんけどね。
またアップルは、創業以来初めて社債発行の可能性を点灯させました。これを受け、格付け会社S&Pは「AA+」を付与、ムーディーズも「Aa1」、見通しは「安定的」とています。
アップルは時間外取引で、一時430ドル近くまで急伸した後でどうなったかといいますと、403.95ドル(23日の引け値から0.54%安)まで下落しました。
時間外取引の動向は、Marketwatchが教えてくれます。
思ったほど悪くないという判断で急騰したものの、
1)4-6月期見通し
2)営業利益の低下トレンド
3)新製品発表が秋以降
以上の3点が嫌気され、決算発表後の上昇分をあっさり打ち消したかと拝察します。割安感から買いへの機は熟したとアップルに手を伸ばす方もいらっしゃるでしょうが、4-6月にサムスンをはじめ別のメーカーが新製品を投入し、先を越されてしまうリスクがあるのかなぁと思ってみたり。私は疑い深いタイプなので、株主還元策を弄して投資家を引き留めようとしなければならない「理由」を勘繰ってしまいます・・。株主還元策で、いったん材料で尽くし感も拭えませんしね。
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