The ING NY City Marathon Will Change Its Name Next Year.
ニューヨーク・シティ・マラソンといえば、世界の5大マラソンの一角を成すランナーの檜舞台。運営はご存知ニューヨーク・ロード・ランナーズ(NYRR)で、タイトル・スポンサーはオランダ大手金融機関INGグループです。だからこそ、NYシティ・マラソンの公式名称は「INGニューヨーク・シティ・マラソン」。11月3日に開催される今年、参加料は登録料としてまず11ドル(1080円)が必要となり、NYRR会員なら216ドル(2万1170円)、ニューヨーク市民で255ドル(2万4990円)、外国人は347ドル(3万4010円)です。コースは、こちらをご覧になって下さい。
ただし、INGの名を冠するのは今年まで。2003年から続いた名称は、10年目にして最後を飾ります。
10月12日時点で、セントラル・パークのコース沿いにはINGカラーのオレンジ旗が。
2014年から公式スポンサーの筆頭に踊り出る企業はといいますと・・。
2010年から技術協力していた、タタ・コンサルタンシー・サービシズです。名称はもちろん、INGから「TCSニューヨーク・シティマラソン」に変更されるんですよ。
TCSといえば、タタ財閥の傘下にありインドのアウトソーシング/テクノロジー業界最大手。インドの経済成長率が過去10年間で最低に落ち込むなかでも同社は成長を維持し、4-6月(第1四半期)の決算では売上高が前年比21%増の1799億ルピー(2890億円)と、7期ぶりの高水準でした。純利益も17%増の383.1億ルピー。お得意様である米国の需要が順調で、チャンドラセカラン最高経営責任者(CEO)が決算発表で明らかにした見通しは従来通り「セクターの伸びを上回るペース」と楽観的でした。
そのTCS、名実ともにNYシティ・マラソンの屋台骨として支えます。
興味深いことに、ゴール地点のセントラル・パークの南東の入口にも、インド企業の繁栄を象徴する建物が壮麗に建っているんですよね。日本人にはお馴染み「プラザ合意」の舞台となった、プラザ・ホテル。1985年に、ベーカー米財務長官をはじめ竹下大蔵相などが参加した主要5カ国財務相・中央銀行総裁会議(G5)で、協調的なドル安合意が交わされるとともに円高時代の入口となった歴史的な場所ですよね。
こちらも、2012年11月にインド系コングロマリットのサハラ・インディア・パリワールが75%の株式を取得したんです。F1にも進出する同社、イスラエルの不動産大手エル・アド・グループから客室230および貸し店舗スペースを買い入れました。残りの25%は、フォーブス誌の長者番付で噛み付いたサウジアラビアのアルワリード王子のキングダム・ホールディングスが保有しております。
プラザ・ホテルの右端にたなびくインド国旗は、75%の象徴か。
カルティエ好きな友人いわく「上得意用サロンに集うのは、中国人やロシア人ではなくインド人」なだけあって、NYの至るところで富を謳歌しているんです。ニューヨーカーもビックリ!な事実ですね。
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