NY City Marathon 13, 3 Female Athletes Stole The Show.
ニューヨーク・シティ・マラソンが、帰って来ました！2012年はハリケーン「サンディ」で、開始以来初めて中止を余儀なくされましたが、今年は被災者を含め復興の願いと祈りを込めて地元から各国から 5万740人が参加したんです。参加人数は、過去最高を樹立しました。
今年NYシティ・マラソンを大いに盛り上げた立役者は、女性といっても過言ではないでしょう。
まずは、競技用の3輪車椅子部門で優勝したタチアナ・マクファーデン選手（24歳）。ロシアのサンクトペテルブルグで生まれた時から、脊椎披裂により下半身不随だったんです。生んだ母親は貧困のため経済的に育児が不可能と判断し、タチアナを孤児院へ置いて去ってしまいました。孤児院では車椅子を与えられず、タチアナは実に生まれてから6年にわたり両腕で生活したといいます。幸いなことにロシアを訪問した米厚生省の検査官デボラ・マクファーデン氏が現れ、アメリカはボルティモア州へ引っ越す日がやって来ました。デボラさんはシングルマザーの道を選び、幼いタチアナを育て上げる決断を下したのです。
8歳から競技活動に参加し始めたタチアナが、頭角を現すのは早かった。たった15歳の2004年にはアテネ・パラリンピックに出場しただけでなく、銅と銀メダルを1つずつ手に入れたのです。2008年の北京では銀メダル3つに銅メダルを1つ収め、2012年のロンドンでは3つの金メダルを獲得する快挙を成し遂げました。
たゆまぬ向上心をもつタティアナの目は、NYシティ・マラソンに熱く注がれていました。それもそのはず。24歳と脂の乗った彼女は今年に入りシカゴ、ロンドン、ボストンと世界5大マラソンの3つで優勝を果たしていたのです。NYシティ・マラソンでは、グランドスラムという金字塔が掛かっていたんですよね。
類まれなる精神力と身体能力を駆使し、タチアナはNYシティ・マラソンにて1時間59分13秒で優勝テープを切りました。グランドスラム達成後のインタビューでの発言が、ずしり心に響きます。「すばらしい年となりました。私がここまで来るには、とても長い時間が掛かったんです。目覚めたら、全てがお膳立てされてたってわけじゃない。」－－挑戦を続ける彼女の次の目標は、2014年のソチ五輪。母国へ帰り、クロスカントリーで再び頂上をねらいます。
タチアナ、会心の笑みがまぶしい！
もう1人の女性も、忘れてはなりません。NYシティ・マラソンで初優勝を飾ったケニア出身のプリスカ・ジェプトゥー選手（29歳）。今年のロンドン・マラソンに次いで、連覇を果たしました。彼女の勝利の法則は、非常に勉強になりましたよ。今年はブロンクスに住むエチオピア出身のブズネシュ・ディーバ選手（26歳）が、スタートからほぼ独走状態にあったんです。しかしリードを許していたジェプトゥー選手、25km地点辺りでディーバ選手が置き去りにした第1集団から離れ追撃を開始。終盤のセントラル・パークに入った38km付近でブズネシュ選手を捉え、あっさり抜き去ったのです。大会カラーのオレンジをウェアをなびかせ、大胆なる逆転劇の主演を張りました。（ご参考：カバー写真）。
そこからは独壇場となり、ロンドン・マラソンでの優勝記録を受け賞金10万ドル＋50万ドルの60万ドル（約5880万円）もぎ取りました。彼女のレース展開は大手ヘッジファンドで成功したある方の教えを思い出せます。「いきなり最前線に立つな、2番手くらいから様子を見て踏み出せ」－－。どこで一歩を踏み出すべきか、己を力を認識することも大事ですね。
個人的には、途中で吐きながらも2位で完走したディーバ選手の健闘も称えたい。来年こそはNYシティ・マラソンが5地区に拡大した1976年以来で初のニューヨーク在住選手としての優勝者になってほしいものです。
アスリートとは別枠でこの方、パメラ・アンダーソンも紹介したい。プレイボーイ誌のプレイメイト、ドラマ「ベイ・ウォッチ」、そしてトミー・リーからキッド・ロックまで音楽界のスターと結婚したことで有名なセクシー女優／モデルですね。そんなパム姐さん、NYシティ・マラソンに46歳にして参加してたんです。タイムは5時間41分3秒。芸能界という荒波を潜り抜けた人生で完走とは、大したものです。
年齢を重ねても、新たなフィールドに踏み出す女性は美しい。
（写真：カバー＝ニューヨーク・タイムズ紙、タチアナ選手とパメラ＝AP）
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