Behind Rental Market Boom : Renting Cost Burdens.
2008年の金融危機後、米連邦公開市場委員会(FOMC)の支援もあって住宅市場を中心に米経済は回復を遂げてきました。
その陰で、賃貸住宅に居住する世帯数がシェアを伸ばし続けています。ハーバード大学住宅研究共同センターの調べによると、賃貸組は2004年の31%から2013年に35%の4300万世帯に増加しました。2004年との比較でみると、30-39歳の間で賃貸の伸び率が高いことが分かっています。
2004-2013年の、賃貸世帯数の伸び率。
世帯構成をみると、もっと興味深い事実が浮かび上がります。賃貸住宅を選ぶ世帯は独身者あるいは子供のいない世帯という印象がありませんか?ところが、このチャートをみると、独身世帯と子供をもつ世帯の賃貸の割合がともに30%を超えて、他の世帯グループを圧倒しているんです。養育費を始め、家計負担が大きいからでしょう。
賃貸住宅を選択する世帯数が増加傾向にあるならば、空室率の低下と賃貸向け住宅数の増加が予想されますよね?空室率をみますと、2009年は全ての賃貸住宅で10.6%でした。管理サービス付き賃貸住宅(エレベーター完備、ドアマン付きなど)でも7.9%だったんです。2013年(年所来ベース)になると全ての賃貸住宅は8.5%へ、管理サービス付き賃貸住宅で4.9%まで低下しております。賃貸向け住宅着工件数も2009年の10万9000件から2013年(年初来ベース)には29万9000件と、ほぼ3倍増に達していました。
気になる家賃状況はというと・・・。借り手の肩にずっしりのしかかる家賃の負担、着実に大きくなっています。
所得のうち家賃負担が30%以上を占める世帯数の割合は2010年までの10年間で12%ポイントも上昇した結果、50%に達しています。
所得のうち家賃が30-50%を占める割合はオレンジ色、50%以上はボルドー色。
これだけ家賃の負担に喘ぐ状況ならば、消費に振り向ける割合が低下してもおかしくありません。ホリデー商戦動向も、この辺りが反映されたのかも。
ニューヨーク市では、家賃の負担がひときわ大きい。所得が増えなくとも賃貸料は上がるという恐怖のスパイラルが形成されるものですから・・・。不動産会社ミラー・サミュエル/ダグラス・エリマンによると、12月の家賃・中央値は3100ドル(32万2400円)ですよ。頭がクラクラしてきます・・。これでも前年比3%下落したというから、オドロキでしょ?空室率は2.8%と、2006年8月以来で最低を記録しており需給ひっ迫が予想されるなか、12月の家賃下落に安穏としていられませんよ。我が家も、来年の契約更改に今から戦々恐々です。
(カバー写真:luxuryrentalsmanhattan)
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