米発行部数監査協会によると、米雑誌の売店での第1刷販売部数は2009年下半期に前年比で9.1%減となりました。09年上半期の12%減から比較すると減少幅は限定的でしたが、なんともココロもとない数字に終わってしまいました。インターネットの普及で、米雑誌業界が打撃を受けている様子が窺えるというものです。
↓雑誌が飾られているはずの場所は、空席に・・・(涙)。
雑誌別でみますと、意外にファッション誌よりも政治・経済誌で落ち込みが激しいのですよ。たとえばニューズウィーク誌は41%減、タイム誌は35%減、エコノミストは24%減となっています。リーマン・ショックによって、ウォールストリートに勤務する人口が減少したトレンドを映し出しているのかも、ですね。
逆に販売が伸びた雑誌はメンズ・ジャーナル誌で24%増、他女性向け一般誌のリアル・シンプルなどでした。政治。・経済を扱いつつエンターテイメント色の強いヴァニティ・フェア誌も5%増となっており、メインストリートの人口増加も、こうした雑誌の勝因だったりして。
↓独身男性のお宅に、大抵置いてあるMen’s Health。
こうした雑誌の売上減少に青色吐息なのが、ニューススタンドを切り盛りする皆様たちです。
ニューススタンドでの雑誌の売上は、80年代と比較して半減したと言われています。斜陽の雑誌とは反対に、主力商品に取って代わった商品はガム、キャンディー、炭酸飲料など。しかし、これらのインセンティブが低いのなんのって。
ウォールストリートにあるニューススタンドで聞き取り調査を行なったところ、雑誌なら1部売った場合、インセンティヴは60セントらしいのです。しかしガムなら20セント、炭酸飲料にいたってはわずか8セントと、薄利の局地なんだとか。
↓かつては、雑誌や新聞が収入源だったんですけどね・・・。
ニューヨーク市のWebサイトを見ますと、ニューススタンド設立費は2008年時点で2万7733ドル。しかも2年間の間借り賃として、1076ドル支払う必要もあります。立ち上げるだけで、この費用。薄利多売に依存しなければいかない環境をふまえれば、いつになったら元を取れるのやら・・・。
ニューススタンドの店先に並ぶ雑誌には、春の到来が感じられますが、ニューススタンドの収益体制には暗い影が差したままとなっています・・・。
↓最近は様式が変わって、また費用がかさむ羽目になってるそうな。
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