Did Bernanke Prevent Market From ‘Sell In May And Go Away’?
「5月に売り逃げろ(sell in May and go away)」とのマーケット格言が飛び交ったものの、S&P500は5月に2.1%上昇しました。最高値を更新する快進撃を遂げています。
最大の功労者として、間違いなくイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が挙げられるでしょう。蜜月関係が取り沙汰されたように、3月31日の講演ではS&P500が5四半期連続で陽線引け。ナスダックも当時1%高を遂げ、年初来の下落を埋めました。4月米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文公表後には、ダウ平均が終値ベースで史上最高値を更新していましたね。
しかしここに来て、CNBCがもう一人「影の功労者」の名前を挙げています。
誰あろう、バーナンキ前FRB議長です。議長退任から約2ヵ月という冷却期間を経て、ヘッジファンドや銀行関係者とのプライベート・ディナーの席で今後の金融政策について大きなヒントを与えていたんですって。
晩餐に、奥さまはお連れしたのでしょうか。
(出所 : AP)
バーナンキ前議長といえば、現イエレンFRB議長とのつながりが深いことは周知の通りですね。インフレ目標値導入には、当時サンフランシスコ連銀の総裁だったイエレン氏が最前線で支持してきました。市場との対話方法を探る小委員会でイエレン氏はコーン元副議長から2010年に委員長の役割を引き継ぎ、四半期に一度の議長による記者会見実施や2012年1月のインフレ目標値導入に活躍。数々の改革の裏に、バーナンキ氏のお墨付きがあったに違いありません。
そんなバーナンキ前FRB議長が、イエレン体制に移行したFedの金融政策見通しを密室でのディナーで漏らしたというのですから、さぁ大変。一体どんな情報をもたらしたのでしょう?
ズバリ、低金利政策を予想したんです。「FF金利誘導目標は、4%に達しない」。いずれ迎える金利引き上げ段階で過剰な引き締めはないと述べ、安心感を与えたんだとか。同発言は、FF金利の中立的な水準などを取り上げ慎重な利上げの可能性に言及したNY連銀のダドリー総裁の講演内容と整合的です。
それだけではありません。必要なら、Fedは目標値を大幅に上回るインフレを容認する可能性を示唆したんだそうです。3月声明文にある「委員会は足元、
米株相場に強気な発言を聞いて、逆張りを決め込むディナー出席者はさぞかし少なかったことでしょう。
ちなみに2ヵ月間の冷却期間を経ており、ロビイストでもないバーナンキ氏がこうした晩餐に参加するのは「違法」ではないそうです。
(カバー写真 : Fox business)
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