Via Dei Mille で出会ったアメリカ人女性と、初めてのランデブーです(笑)。いやー、男性だろうが女性だろうが、初めてナイトアウトするときって、何だかドキドキしちゃいますよね。
待ち合わせの4丁目は7thアベニューへ到着すると、すでに彼女はバンク・オブ・アメリカの支店の前でたたずんでおりました。両頬を合わせて挨拶する仕草はアメリカ人らしくなく。だってアメリカ人は何度も言いますけど、肩頬だけですもんね。最近まで彼女が仏系金融機関で勤務していたことを思い出して、ひとり納得。
彼女に連れられて待ち合わせ場所にほど近いBAR、Wilfie and Nell へ足を向けます。店の前でいつもどおりIDをチェックされ、愕然。NY生活も5年と8カ月だというのに、財布から差し替えたマネークリップにIDを忍ばせるのを忘れちゃったんです!彼女に断って、あわててIDを取りにタクシーを飛ばしました。NY生活間もない頃、初デートでも何度やらかしたことか・・・私、成長してません。
↓小さな階段とともに、黒塗りのドアがみえたらそこがWilfie and Nell。
BARにトンボ返りして扉を開くと、目の前にカウンターに寄りかかる彼女を見つけて、ホッとひと息。漆黒の髪をエッジィなショートヘアでまとめ、鮮やかなフェラーリ・レッドのごときルージュでアクセントをつけた彼女は、80年代風ポストモダンなイメージで、店の喧騒から隔絶した感がありました。真っ白な肌が漆黒の髪と緋色の口紅と見事な好対照をなし、フェミニンです。
週末だった上に気温が25度を下回る程度と、8月のど真ん中にしては非常に過ごしやすい天候だったせいか、バーカウンターは大盛況。2人しかいないバーテンさんに向かって、あらゆる地点からマシンガンのように人々がオーダーを浴びせます。負けずに大きく手を振っていると、ようやくバーテンさんがオーダーを取りに来てくれました。ウォッカトニックをお願いした後、ふと視線を感じて右側を向くと、白人男性2人が捨てられた犬のような風情で私を見つめています。声を掛けてみたら、オーダーしようにもバーテンさんの注意を引くことができずに困っていると訴えます。仕方がないので、彼らの分までウォッカトニックを頼んであげました。
↓ご覧の混雑っぷり。一緒にいた女性とも叫ばずには会話できません!
まもなくバーテンさんがウォッカトニックのグラスを3つ、目の前に置きながら無造作に「21ドル」と申し渡しました。ドリンク3杯で21ドルってことは、1杯7ドル!安さに感激して7ドルとチップを払おうとマネークリップを取り出すしつつ、横にいた男性たち、お金を出そうとしないことに気づきました。1杯7ドルだけど払わないの?と片割れの男性に尋ねると「No I was not the one who tried to order, he did」と言い放ち、自分の友達だけがドリンクをオーダーしたかっただけと主張してきたのです。
それにも関わらず、私がオーダーしたドリンクを「Well you did order anyway」と言いながら、ぬけぬけとグラスに手を差し出そうとしたのですよ。呆気に取られたのもつかの間、私はグラスを自分の下に引き寄せ「I can drink 2 glasses at the same time」とお断りしました。
ことの顛末を静かに見守っていた私の連れのアメリカ人女性は、苦笑しながら「I remember my mom used to say you could go out with a poor man but a cheap man」と感想を漏らしておりました。確かに。お金がないことは、決して悪いことではありません。景気回復ペースは鈍化中で、失業者は1500万人に及んでますから、分かりますよ。ドリンク代が惜しい気持ち。でもCheapとPoorは、似て非なるものなのです。
↓別にご馳走してもよかったんですが、財政難に直面するのは私も同じで。
男性からのバッシングを覚悟して申し上げますと、男として、女性の手助けでドリンクを得た上におんぶにだっこでご馳走にあずかろうなんて、まさにCheapの典型ですね。何だか悲しくなっちゃいました。
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