本日は9月10日。そうです、翌日は同時多発テロ事件が発生した11日を迎えます。
ちょうど前日、グラウンド・ゼロ近くに建設予定のモスク問題にて、コーラン焼却で抗議しようと訴えたフロリダ州のキリスト教・原理主義の牧師が、焼却活動を撤回すると発表しました。最初に中止をアナウンスしたときには、建設を予定したNYのイスラム教団体と、モスク建設地の移転で合意したためと説明したんです。しかしファイサル・ラウフ師が「我々はバーター取引など行わない」との見解を明らかにし一時は混乱を招きましたが、最悪の事態はひとまず免れることとなりました。
冷戦時代に活躍した、ハーバードのジョン・オリン戦略研究所の所長サミュエル・ハンティントン氏がグローバル化に伴い、1993年に「文明の衝突」をフォーリン・アフェア誌に寄稿したことを思い起こすエピソードです。
↓文明の衝突。大学時代に講義を通じて読みました。
コーラン焼却抗議活動、そしてモスク建設と、NYで再びアンチ・イスラム運動が台頭するなか、弊社の傭兵軍団(アメリカ人、ロシア人、ユダヤ人、パキスタン人などの混成チーム)で衝突が発生したのです。
彼らのシマの横でいつもの通り為替の記事を書いていると、いつもは穏やかなアメリカ人アナリストが珍しく声を荒げていたのですよ。思わずタイピングしながら耳だけ傭兵軍団側にそばたてていますと、イスラム教徒擁護派のアメリカ人アナリストVS共和党寄りアメリカ人とロシア人との間で激論の火蓋が切って落とされていたんです。
激突の要旨は
強硬派ロシア人
・同時多発テロ事件が発生した周辺にモスク建設などあってはならない
・無神経
・イスラムのテロリストを容認することになる
・米政府は第二次世界大戦で日本人を強制送還したように、イスラム過激派を追い出すべき
反対派の共和党寄りアメリカ人
・モスク建設にあえて反対しない
・米国の憲法が保障する信教の自由などを認める
・とはいえ、モスク建設には不快感
・ブルックリンのイスラム教徒が多く住むエリアで、同時多発テロ事件を祝勝し踊る姿をみて吐き気を覚えた
擁護派のアメリカ人(奥様はインド人です、ここがポイント)
・米国の憲法に基づくモスク建設は妥当
・日本人の強制送還措置などは間違い
・信教の自由は認められるべき
・モスク建設はあえてグラウンド・ゼロ近辺に建設することで、米国と融和を図るシンボルとなる
・グラウンド・ゼロ周辺にモスクを建設することに反対というなら、どれだけ離れていれば承認できるか定かではない
・イスラム教徒を十把ひとからげにして「They」と表現するのは間違い、イスラム教徒でも多種多様
・キリスト教徒でも過激派が存在し、暴力行為を行っている(個人的にはKKKを思い出します)
モスク建設に賛成するブルームバーグ市長とイスラム関係にまでメスを入れたディスカッションとなり、1時間くらい、口角に泡を飛ばすほど真っ向から衝突してました。
結局は共和党寄りアメリカ人が「モスク建設もキリスト教会もグラウンド・ゼロ周辺に建設しないよう、リリジョン・フリー、宗教の摩擦を発生しないエリアにすればいいんじゃないか。サイエンス・パークを建設するとか」と提案したことで、収束しました。これには、擁護派アメリカ人も納得。ロシア人も「えー、そしたらサイエントロジストが協会を建てるかもしれないよ」とダジャレを飛ばして、まる~くまとまりました。めでたし、めでたし・・・。
↓911の前には、ツインタワーをしのぶ2本の光の柱がそびえます。キリスト教徒とイスラム教徒のつなぐ希望の光のよう。
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