The Real Winner Of The World Cup 2014.
ついに13日(日本時間は14日)、泣いても笑ってもワールドカップ決勝戦の火蓋が切って落とされます。
リオデジャネイロのマラカナン競技場を舞台にドイツ対アルゼンチンの運命の決戦を控え世界中のファンが胸を高鳴らせる一方、勝者の笑みを満面にたたえ余裕の面持ちで見守る存在が・・。
誰あろう、アディダスです。
アルゼンチンがW杯で決勝戦進出を決めた瞬間、スポーツ衣料業界の勝者はアディダスに確定していました。アルゼンチンのスポンサーといえば、他ならぬアディダス。しかも、お膝元なだけあってすでに決勝戦へのチケットを手にしていたドイツ代表のユニフォームも提供しています。W杯の頂上戦で、アディダス製のユニフォームがスタジアムを駆け巡る・・・同社にとって、これ以上ない光景なんでしょうね。
ハイナ—CEOにしてみれば、してやったり?
(出所 : Arabian Business)
逆にアルゼンチンにPK戦で苦い敗北を味わったオランダやドイツに歴史的な大敗を喫したブラジルは、ナイキのバックアップを得ていました。業界1位のナイキに、アディダスはW杯で一矢を報いたかたちです。
それだけではありません。ブルームバーグによると、アディダスがスポンサーを務めるドイツ代表のジャージは同国内を含め世界全体で200万枚を超え、地元開催ながら3位に終わった2006年の記録160万枚を塗り替える見通しです。欧州以外での売上も50万枚と、同じく3位までコマを進めた2012年大会の30万枚を超える公算だとか。
W杯出場国のシャツ全体では売上800万枚を見込んでおり、2010年の650万枚をゆうに上回るといいます。W杯関連の売上高は少なくとも20億ユーロ(2760億円)と予想していましたが、忘れてならないのは一連の数字が決勝戦のカードが決まっていない6月24日段階だということ。独り勝ち状態では、さらなる売上増に期待がかかります。
もちろん、アディダスは勝者に与えられし役目も忘れていません。
すでに同社は自国ドイツの優勝回数を表す4つ星のエンブレムを縫い付けた記念ユニフォームの生産に入り、来週にも販売する予定です。アルゼンチンの3つ星ジャージも、もちろん用意しています。強いて言えば、アディダスが抱く贅沢な悩みはどちらかの記念ユニフォームが無駄になるというところでしょうか。
株価は年初から下落の一途をたどっていましたが、底入れは近い?
アディダスといえば、ナイキがスポンサー契約更新を見送った名門マンチェスター・ユナイテッドに1年当たり6000万ポンド(104億円)の10年契約を提示しました。スポーツ関連メーカー1位と2位の熾烈な争いは、まだまだ続きます。
(カバー写真 : CTV News)
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