July FOMC : Beware Of Adjustments Of The Statement.
7月29—30日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)、市場関係者の間ではノーサプライズの見方が大勢です。
イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見、経済金利見通しの公表されない会合であるため、当然でしょうね。
10月に量的緩和(QE)を終了させる方針を表明済みである以上、100億ドルの減額決定は変わらずでしょう。フォワード・ガイダンスも、低金利政策をイエレン議長が繰り返し強調しており変更する要素は見当たりません。
今回の焦点は、FOMC声明文の景況判断。特に労働市場に関する文言の変更に注目です。米6月雇用統計では、失業率が6.1%と6月FOMC時点で公表された2014年末の失業率見通しのレンジ「6.0—6.1%」の上限にたどり着いています。
JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、労働市場をめぐる文言は前回から失業率に対し「いく分、高止まりしている(somewhat elevated)」へ修正すると予想しています。変更は小幅とはいえ、「統治目標に向かって改善しているとのFOMCの認識を市場に対して示す」ことが可能となります。出口戦略へ突き進む上で、コミュニケーションを変えていかねばなりませんしね。
またフェローリ氏は、FRB議長にイエレン氏をいただいてから4回目のFOMC、そろそろ反対票が投じられてもおかしくないと予想。セントルイス連銀のプロッサー総裁ではなく、ダラス連銀のフィッシャー総裁の名前を挙げていました。
モルガン・スタンレーのビンセント・ラインハート米国担当主席エコノミストは、まずイエレンFRB議長の議会証言を元に今回の声明分に「10月でQEを終了させる(anticipate that these asset purchase will be completed by October)」との文言が加わると予想しています。ガザ地区とウクライナ情勢緊迫化を背景に、「地政学的リスクが高まった(geopolitical tensions are increased)」との文言が挿入される可能性を指摘していました。
グリーンスパン元FRB議長時代、2007年までバーナンキ前FRB議長時代にも金融政策局長としてFOMCを支えたラインハート氏は全般的に景況判断も微調整を見込んでいます。例えば経済全晩には、1—3月期から成長回復を確認しているため、前回の回復したとの文言を削除し「拡大を継続させている(continued to expand)」へ差し替える見通しです。
MSのエコノミストに転身後は、動画を含め表舞台に立ちます。
(出所 : モルガン・スタンレー)
米6月小売売上高の伸びが鈍化し、米6月耐久財受注も設備投資の減速がみられるなかでは両者とも「緩やかに拡大しているようにみえる(appear to be rising modestly)」に統一へ。インフレも「統治目標以下で推移しているが」から「安定してきた(firmed)」といった表現へ変わると読んでいます。
無風のFOMCとなるか、マーケットは微調整に反応するのか。予想外の変更が生じるのか。30日のマーケット動向はFOMC声明文の内容を受けてイエレンFRB議長との蜜月関係を保つのかも、気になります。
(カバー写真 : jpellgen)
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