Pope Francis : 10 Tips To be Happy.
史上初、アルゼンチン出身でアメリカ大陸が輩出したフランシスコ法王。バチカン銀行の構造改革に踏み切るだけでなく、77歳の誕生日をホームレスとの朝食で迎えたり、アルゼンチンの枢機卿時代には朝5時に起床して神父達の衣類を洗濯するなど、それ以外にも常識を覆す方として知られています。ナイトクラブの用心棒をしていた過去も、まるでこれまでの修行だったのかと考えさせらせるくらい人並みはずれた求心力はさすがです。ガザ地区での戦闘に対しても第1次世界大戦開始から100年に合わせ、宗教を超えて「過去の過ちを繰り返してはならない」とイスラエルとパレスチナ側に対話を迫ったことが記憶に新しいですね。カトリック教徒ではない筆者でも、フランシスコ法王の偉大さは行間でひしひし感じております。
そんなフランシスコ法王が、アルゼンチンの週間誌「ビバ(Viva)」で幸せになる10カ条を教えてくれました。ハフィントン・ポストから抄訳をお届けします。
1)その人のありのままを受け止めなさい( Let everyone be themselves.)
→ローマ人の言う「 Campa e lascia campà (Live and let live)」こそ、平和と幸福への第一歩である。
2)人のために絶えず尽力しなさい(Give yourself tirelessly to others.)
→淀んだ水が腐敗するように、疲れ働く手を休める者は自己中心的になり社会を荒廃させる。
法王自身が実践するだけに、説得力は十分。
(出所 : Reuters)
3)なだらかに歩みなさい(Walk softly.)
→アルゼンチンの小説「Don Segundo Sombra」の一説に、ある男性が過去を振り帰る場面がある。男性は、若い時の自分自身が全てを奔流に巻き込むようだったと語りつつ、年月を経て大人になり流れを感じるなだらかな(remansado=slowed)川に例えるようになった。 なだからというのは、穏やかに謙虚に冷静に受け止める姿勢である。
4)子供や家族の時間を優先しなさい(Be available to your kids and family.)
→消費主義は失うという不安を与えた半面、富を追求するため家族との時間を奪ってしまった。確かに仕事をして帰宅したら子供が眠ってしまっている場合があるが、家族との時間を重要視すべきだ。
5)日曜あるいは休みの日は家族と過ごしなさい(Spend Sundays ’or a day of rest’ with family.)
→愛する家族のために、時間を割く努力を示せよ。
6)若い世代が活躍できるよう手助けしなさい(Work toward empowering young people.)
→生活を支えるということがどれほど尊いか、あらゆる方法で教え諭すべきだ。
7)環境に配慮せよ( Care for the environment. )
→神が創造によって我らに与えた特別な贈り物を破壊しないよう、心がけよ。
8)気持ちを切り替え、前へ進みなさい(Move on.)
どれほどの苦難・困難があっても、乗り越えて前へ進みなさい。許すことこそ肝要であり、前進する意欲こそ人生を豊かにする。
9)他人の意見を尊重しなさい( Respect others’ opinions.)
→人と意見が合わないからといって、相手方の考え方が無意味というわけではない。
10)平和のために積極的に努力しなさい( Actively strive for peace.)
→戦争は全てを破壊してしまうために、我々は平和を希求しなければならない。平和というのは黙って存在するものではなく、積極的に行動してこそ成り立つものだ。平和という言語を話していかねばならない。
——いかがでしたか?長崎県佐世保で起こった残酷な殺人事件は親子の関係崩壊が一因だったり、ガザ地区での悲惨な状況も相手を尊重しないところから派生していますよね。そう考えると、フランシスコ法王が提唱する幸せ10カ条の重みがずしりと伝わってきます。
(カバー写真 : Catholic Church England and Wales)
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