オバマ米大統領、4月30日に開催されたホワイトハウス記者会ディナーのスピーチで、堂々たる威風を見せ付けてくれました。
不動産王+リアリティ・ショー・スター、さらには共和党から大統領の立候補を示唆してきたドナルド・トランプをはじめ、出生証明書の提出を連呼してきた人々を、見事なジョークでメッタ切り にしたのです。こんな舌鋒鋭くも笑いのツボを抑えた米大統領は、他にいたでしょうか??
↓終始神妙な顔つきだったものの、時折こんなドヤ顔も。
出生証明書を公開したオバマさん、今回は自身も見たことがないという出生ビデオを初公開すると宣言したんです。何が出るのかと思ったら、映画「ライオンキング」のシンバが誕生するシーンを披露したんです。もちろん、挿入歌では「ケニヤー」なんてお父さんの出身国の国名が盛り込まれてました。オバマさん気が利いてるでしょ?出生ビデオの余興の後に、保守系放送局フォックス・ニュースに対し「念のため言っておくけど、これはジョークだよ」なんて当て付けることも忘れません。
ドナルド・トランプを標的にした攻撃は、止まることを知りません。ケニヤ出身であるため米大統領候補にふさわしくないと口汚くののしってきたトランプに「これで月面着陸がでっち上げだったとか、ロズウェル(宇宙人が発見されたとされる場所)の真実とか、もっと重要な問題に専念できるようになるだろう」と皮肉ってくれました。また彼の実績を踏まえ「確かに彼はホワイトハウスに変化をもたらすだろう・・・こんな風に」なんて言って、ホテルに改築されたらしいホワイトハウス画像までスクリーンにあげてしまいます。
↓ホントにこの画像をスクリーンにアップしたんです!誰が作ったのかしら・・。
ちなみにトランプだけでなく、共和党のミシェル・バックマン(ミネソタ州選出)についても「大統領戦に出馬するらしいね・・・あれ彼女はカナダ出身じゃなかったっけ?」と槍玉にあげることを忘れません。バックマンは、ティーパーティー派で強烈な大衆主義の彼女、第2のサラ・ペイリンと言われるだけに虚言癖が多いことで有名な人です。ちなみにアメリカ独立戦争の戦端を切った州はマサチューセッツ州ですが、なぜかスピーチの席でニューハンプシャー州とぶちまけ、リベラル派を中心に集中砲火を浴びてましたねぇ。相当キてる人です。
医療保険改革に反対する共和党についても、2012年大統領選に正式立候補したミット・ロムニー氏をスケープゴーとにして「大きなダメージになりそうな非常に悪い噂を流れているよね・・・彼、マサチューセッツ知事時代に皆医療保険制度を通過させたんだって?」なんて冷やかしてくれてます。つまり、医療保険改革に反対する共和党の立場との食い違いを切り取ったわけですな。
こんな激烈トークを披露しただけに、何かあるだろうと思ったら・・・翌日深夜にビン・ラディン死亡を報告する記者会見を開いたオバマさん。4月29日、つまりホワイトハウス・ディナーの前日に作戦は決行されていたわけです。ビン・ラディンの死で同時多発テロ発生から10年を迎えることができ、オバマ株はニューヨークを中心に急騰間違いありません。ギャラップでの支持率は4月29日の段階 で「支持」が46%、「不支持」が45%でしたが、まもなくスプレッドはワイドニングするでしょう。
NYでは事件現場のワールドトレードセンター跡地からタイムズ・スクエアを中心に、ストリートに人々が溢れ出た
そうですね。ホワイトハウスにも多くの人が押しかけたといいます。深夜詰め掛けた人々の間で、Queenの「We’re the Champion」が大合唱が響きわたったなんて、いかにもアメリカ的ですね。
↓映画俳優ロブ・ロウを、なぜか消防車の上で発見!
ただ同時多発テロ事件で婚約者を失った方はポツリ、「でも『(ビン・ラディンが死んで)ハッピー』とは言えないよね」とこぼしてました。私は、答えることができませんでしたけど・・。
オバマ陣営としては、テロ撲滅再選に向けた大きな足がかりとなったこのビン・ラディンの死亡。しかしクリントン米国務長官は2日、記者会見で「テロ組織アルカイダを阻止する戦いは、ビン・ラディンの死で終わるわけではない」と口元を引き締めました。国際的なテロに対処する決意を新たにするよう呼びかけたほか、指導者を失ったアルカイダ側が「米国を攻撃する努力を加速させかねない」と警告を発することを忘れません。
こうした警戒呼びかけに先駆け、 米国務省は1日付けで渡航情報の警告を更新してました。具体的な国名を挙げることこそ回避しつつ、「(ビン・ラディン容疑者の殺害するにいたった)パキスタンでの活動に伴う現状の不透明性と変動性を踏まえ、米国人への暴力が発生しうる地域の米国民は厳しく旅行を制限すべき」と強い注意を発しました。ちなみに警告は、8月1日まで3ヵ月にわたって有効だとしています。
オバマさんの再選には追い風となりえるのでしょうが、海外へ渡航するアメリカ国民にとっては向かい風のニュースになるかもしれません。
↓NYでは、これだけの人々が歓喜に酔いしれてました。
追記:ビン・ラディンの最後の棲家の画像を発見したので、お届けします。100万ドル相当の邸宅だったんですねぇ。ただし電話やインターネットのコネクションはなし。ゴミも収集車に任せるのではなく、燃やして処理した徹底ぶりだったとか。
↓見取り図
↓空からみた場合は、こんなです。
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