もー・・・簡便してほしかったです。
何がかといいますと、今年のアカデミー賞の話題作「ブラック・スワン」です。ナタリー・ポートマンがアカデミー主演女優賞をさらっただけでなく、各映画賞で主演女優賞を連覇したことは、記憶に新しい。珠玉の芸術作品と謳われた、異色ダレン・アロノフスキー監督が送る低予算映画です。
↓ただでさえ小鳥のごとく頼りなさげなナタリー。映画では極細で痛々しい!
雨にたたられたこともあり、日曜は食器乾燥棚など日用品をCrate & Barrelで仕入れた後は新居でのまったりを決め込んだんです。TVがMacに接続しており、今ではかつてとは比較できない映画ライブラリーが楽しめるとあって、かねてから気になっていた「ブラック・スワン」の観賞することにいたしました。
さっくり斬り捨ててしまいますと、さすがアロノフスキー作品。惨めで無残で救いようがなく、暗いです・・・。グロテスクとアーティスィックの彼岸には、こんな絶望が待っているのかと、打ちのめされます。
アロノフスキーといえば、「レクィエム・フォー・ア・ドリーム」で一躍名を馳せましたけど、同作品は数々の映画サイトで 「Most Disturbing Movie」の称号を得てます。そんな彼の作品とあって、白鳥の湖の主役「スワン・クィーン」に輝いたナタリー演じる主役ニナの葛藤が、フツウに描かれているわけはありません!
↓「レクィエム~」も、正視に耐えないドラッグ中毒患者の悲惨ぶりが観客を失望のどん底lに。
単純に申し上げて、ナタリーの鬼気迫る演技には完全に脱帽いたします。しかし個人的には今作品、二度と観たくない作品ランキングの20位には入るかと。ナタリー演じる純粋無垢なバレリーナが、自身のように清らかな白鳥と悪の権化であるブラック・スワンを演じなければならない極限のプレッシャーで、自我を崩壊していく・・・ワタクシの想像をはるかに絶するでしょう。
正直な話、映画のストーリーには馬鹿にされた気がしました。爪の皮が指の長さほども剥がれるような流血シーンが満載で、吐き気すら覚えます。しかもそうしたシーンが現実か妄想か把握できない主人公の目線で描かれることも、非常に不愉快。倒錯する主人公目線なんでしょうが、製作者を尊重しマジメにストーリーを追う自分が情けなく感じます。自慰行為に及ぶ主人公や性的行為に耽る女性同士のシーンも、正直ハリウッド流「セクシー」を挟み込んだように映り、下賤でした。
ラストシーンがまた、許せない・・・。だってお決まりのまばゆいばかりのライトが画面全体を覆ってまもなく、クレジットが流れるんですよ?難解かつ大仰なシーンを見せ付けた後で、ハリウッド娯楽作のお決まりの手法(もうひとつのお決まりラストシーンは、なんといっても地平線に沈む夕日でしょう)で幕を閉じる低俗さ。辟易してしまいました。
ラストに賭けて最後まで映画を見た私の時間を、返してほしい・・・。批評家はおおむね高評価を与え、ベネチア映画際ではオープニングを飾るにいたりましたけど、批評家の方々「芸術を理解できない単細胞」というレッテルを貼られることを恐れたような気さえします。
↓監督の「オレって天才」という声が聞こえてきそう。全編を通じて自己中プレー炸裂。登場人物を至近距離で映し出す方法も、いかにもサイコスリラー的で頭が痛いです。
観賞した後、思わず知り合いにTextを打ちます。彼女は映画の舞台に登場したリンカーン・センターを根城とするニューヨーク・シティ・バレエ団に所属した経歴がありますので、意見を聞くにはピッタリだと思った次第。いまは1児の母となった彼女、「stereotypical or exaggerated」とまず一言。さらには「You can’t be that mentally and physically unhealthy because of the variety of health options available such as physiotherapy, nutrition」。そりゃーそうです。最後に彼女は、「She is the "Principle", not like an average one」と言い放ち、どんな重圧や役柄にも耐えうる精神的な強さを持ち合わせてるはずだとの見方を教えてくれました。
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