ギリシャで可決も財政難は続くよ、アメリカでもオペラでもオーケストラでも。

by • July 1, 2011 • NY TipsComments (0)1293

ギリシャの中間財政戦略案、ついに可決ですね。ユーロ圏を中心に火を噴く財政問題、これでいったんの決着となりますでしょうか。さすがに29日に採決を迎えたときには、CNBCのリポーターのミシェルさん、催涙ガスがあまりに蔓延しているためかゴーグルをかけていましたね。抗議活動の激しさは、緊縮財政案とともに公務員の団体交渉権はく奪が盛り込まれてストに立ち上がったウィスコンシン州の比ではありません。

↓ギリシャの惨状。

My Big Apple

↓ウィスコンシンが文明的に見える・・・(汗)。

My Big Apple

財政問題は米国でもご存知のように他人事ではなく、連邦だけでなく州政府や地方にも影響が色濃く浮き出ております。最近でこそ景気回復で所得税や法人税の税収が改善され大きな話題にこそなっていませんが、こんなところに如実に表れていたりするのです。

たとえば。

2008年9月15日にNYを直撃したリーマン・ショックの余震は今も続き、ニューヨーク・シティ・オペラは5月、長年のホームグラウンドとして利用してきたリンカーン・センターから撤退することを決定しました。若い世代を中心にオペラ離れが進む上に、景気後退、集客数減少、寄付金低下、財政難というマルチ・パンチで使用料が賄いきれず、苦渋の決断を下したかたちです。

ニューヨーク・タイムズ紙 によると、来シーズンの舞台はいまだ白紙の状態なんですって。ニューヨーク・シティ・オペラの弁護士いわく「ブロンクスやスタッテン・アイランドなど、マンハッタン以外の場所は論外」とのことですが、こうした言葉が飛び出すところから事態の深刻さがうかがえるというものです。来シーズンが開始する2012年2月までまだ時間があるとはいえ、キャスティングから稽古もあるでしょうから、時間をもてあそぶ余裕はないでしょう。

↓NYシティ・オペラ。クラシックだけでなくモダンも得意です。

My Big Apple

芸術の世界にまで財政難の波が忍び寄るなかで、被害に遭ったのは何もニューヨーク・シティ・オペラだけではありません。実はフィラデルフィア・オーケストラにいたっては、破産法(チャプター11)の申請を実施済み でした。米国のオーケストラが破産申請に踏み切るなんて、後にも先にもこのフィラデルフィアの例が初めてです。

こうしたニュースを聞いて寒々としたところに、ある日会社の電話がプルルルーッと鳴ったんですよ。ワンコールが鳴り止まないうちに受話器をとると、「This is Jane from Carnegie Hall」って・・・。カーネギー・ホールからの電話です。そうです、1891年に創設されたニューヨークのランドマークであり、クラシックをはじめとするコンサートのメッカですよ!!!

↓カーネギー3階席の高さは、高所恐怖症の方にはちとつらいかも。

My Big Apple

私なんて今年のジャパンNYC開催時 に、はじめて行っただけですよ???なのに、シーズンの目玉チケットをあれこれ紹介し、即座の予約を進めてくるんです。まさか歴史あるカーネギーが押し売りの電話をかけてくるとは・・・。

なんでもカーネギー、今年で120周年を迎えるんですって。寄付金を募る目的もあって、カーネギーの従業員は片っ端からかけまくってるんでしょうな。普段なら電話を叩き切るところでしたが、思わず丁寧に「申し訳ないんですが」なんてひと言かけながら静かに受話器を置きましたよ。なんだか・・・切ないですねぇ(涙)。

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