NY同時多発テロ事件から10年、各ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルのほか、ヒストリー・チャンネルなど、多くのチャンネルが特集番組を組んでいました。私も何度か番組を拝見しましたが、ディスカバリー・チャンネルの「The Rising」では、崩壊したワールド・トレード・センターを建設した父を持つ元バーテンダーから、母親を失った方々まで、一丸となって再興に汗を流す姿を映し出し、特筆すべき作品に仕上がっておりました。
番組によると、最初の段階でフリーダム・タワーと命名されていた2代目「ワールド・トレード・センター1」は1775フィート(534m)と、全米一の高さを誇る104階建てビルとして、2013年に完成する予定です。このビル、10年という節目を迎え、2011年9月11日までに外部の建設を完了する計画があったんですね。こうしたニューヨーカーの努力、東日本大震災で被災しながら、復興に命をかけた方々の努力を思い起こさせてくれました。
↓一番左側の、キャンドルを思わせるビルが「ワールド・トレード・センター1」。
私の周囲でも10年という節目を受け、遺族の方々がそれぞれメモリアル・イベントが開催しておりました。当事者でないながら私も出席させていただく機会を与えられ、月並みな表現で非常に恐縮ですが、あらためて命の尊さ、ひととのつながりの大切さを実感した限りでございます。
ツィンタワーを模したトリビュート・イン・ライトは10年の節目を持って終了しますが、今後は新ワールド・トレード・センターがNYを照らすことになるでしょう。ツィンタワーの跡地に建てられる噴水の周辺には、犠牲者の名前が掘り込まれ、その場に永遠に刻み込まれることになります。
犠牲者の方々の名前が彫られた噴水を中心に広がる公園は、10年を節目に今年の11日にオープンするんです。またグラウンド・ゼロに建設中の911メモリアル・ミュージアムも、2012年の9月に開場を予定。時間は掛かりましたが、事件を乗り越えた努力が結実しつつあるんです。
↓公園の完成予定図。緑に囲まれた平和な空間によみがえる予定です。
人々も、ロウアー・マンハッタンに戻ってきました。ニューヨークの無料地元紙メトロによると、2000年時点のロウアー・マンハッタンの人口は2万2904人だったんです。ところが10年後の2010年時点にはなんと、2倍以上の5万6000人に増加しておりました!911のに加えITバブル崩壊、リーマン・ショックという荒波をかいくぐり、実に25件もの複合住宅が建設された、努力の賜物ですね。
2010年だけで、Wホテルをはじめ実に5件ものホテルも開業しました。現時点で18件と、2001年から3倍増へ膨れ上がったそうです。おかげさまでホテル室数も2300室から、実に4100室へ倍増しました。多くの人命が失われた土地の近くにホテルなんて、という思いもあるでしょうが、個人的には新たに建設された複合住宅も含め、町興しならぬ地域復興のバネとなってくれれば、と願わずにいられません。
↓Wホテルのラウンジは、NYの粋を結集したデザインです。
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