音楽界のドンJay-Z、「Occupy Wall Street」の商品化に失敗→お詫びを追記

by • November 14, 2011 • GossipComments (0)1970

お詫び:以下のお話は13日の段階で書き上げたのですが、14日のNY時間の夜になって「販売中止ではなく、飛ぶ鳥を落とす勢いの売上で在庫が底を尽きた」ことで、Rocawear.comからTシャツが削除されたことが分かりました。ここにお詫びとともに、追記させていただきます。ちなみに、Tシャツに託されたメッセージは格差打倒ではなく、「there is change to be made everywhere」だそうです。

絶対、誰かが商品化を画策するだろうとは思ってたんですよ。
9月17日から続く「Occupy Wall Street(OWS、ウォールストリートを占拠せよ)!」。11月5日のガイ・フォークスの日 にバンク・オブ・アメリカ(BOA)をはじめとする大手銀行から預金が数万人によって引き落とされ、デビットカード利用手数料5ドルを課金しようとしたBOAにいたっては、計画を断念する一幕がありました。
一方で、OWSが攻撃するゴールドマン・サックスのブランクファインCEOが書いたとされるeメール が話題になりました。OWSから利益を生み出す、「怒りのファンド」創設レターです。あれは当然ながらジョークだった半面、音楽界のドンでファッション・ブランドを抱えるこの男、Jay-Zも、金の成る木としてOWSの活用を考えたのです。
Jay-Z率いるストリート・ファッションのブランドである「RocaWear」から、Tシャツ「Occupy All Streets 」の販売に乗り出したんですよ。
↓今年のbuzzwords、すなわち流行語になること間違いなしのOWSをうまく利用してます。
My Big Apple
お分かりのとおり、「Occupy Wall Street」の「W」を打ち消して、Streetの末尾に「s」を付け足したデザイン。しかし、あえなく日の目を見ることはありませんでした。
なぜなら、当然のことながらOWS参加者が猛反対したからです。OWSが金融機関をはじめとした企業の強欲に抗議するデモなだけに、音楽界でなくビジネスの大物の商品化に納得がいかなかったのでしょう。確かにJay-Zは2011年版(2010年5月から2011年5月の所得)のフォーブス誌Hip Hop版長者番付で3700万ドル の収入を誇り、堂々1位。2011年版のフォーブス誌セレブリティ・カップル の長者番付ランキングでは2010年の首位から脱落したとはい、2位の7200万ドル也。ちなみに1位はスーパーモデルのジゼル・ブンチェンと、NFLのニューイングランド・パトリオッツのQBであるトム・ブレイディで7600万ドルでした。
Jay-Zに対し、OWSの代表とされるGrim氏は、以下のようにツウィート。
「Jay-Z, as talented as he is, has the political sensibility of a hood rat and is a scrotum. To attempt to profit off of the first important social moment of 50 years with an overpriced piece of cotton is an insult to the fight for economic civil rights known as #occupywallstreet.」
→Jay-Zは才能あふれると同時に、ゲットーの卑劣漢たる政治的感覚しかない 陰●野郎だ。過去50年間で初めて台頭した社会的活動に対し、バカ高い木綿の代物で暴利を得ようとしており、経済と市民権への闘争であるOWSを侮辱している
怒りの丈が詰まった叫びですねぇ。Jay-Z側はTシャツ販売中止について明確な説明を与えていませんが、どうもJay-ZがOWSに寄付したり、ズコッティ・パークに登場するなど、運動をサポートしていなかったことが、OWSの怒りを買ったもよう。支持するどころか、カニエ・ウェストとマディソン・スクエア・ガーデンで先週コンサートを行い、がっぽり稼いでました。
ちなみにJay-ZのTシャツ、Occupy All Streetsのお値段設定は、22ドル也。OWSのGrim氏がいうほど、「バカ高い」とは思えませんが・・・。Grim氏の反論も、ちょっと大人気ない。しかもJay-Zの洋服ブランドの「Rocawear」、言うまでもなく富豪一族であるRockefellerに由来するとおり、アフロ系アメリカ人がパロディで自己表現するのは、すでに市民権を得てますからね。
古くは、アイスキューブとドクター・ドレのデュオ・アルバムである「Natural Born Killaz 」。あのオリバー・ストーン監督の映画「Natural Born Killers 」をパロディしましたし、第77回アカデミー賞で司会の栄誉を務めたコメディアン、クリス・ロックも全米の長寿家族コメディ・ドラマ「Everybody loves Raymond」をもじって、「Everybody hates Chris」なんてドラマを制作してましたねぇ・・。市民権運動を展開中だと、ジョークを解する余裕もないのでしょうか。
↓Every loves Raymond、約10年続いた名作コメディです。
My Big Apple
↓Everybody hates Chrisは、クリスの幼年時代を描いたコメディ。
My Big Apple

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