BIS Threw A Question To Markets : Buoyant Or Fragile?
国際決済銀行(BIS)は7日、レポートで金融市場に脆弱性に警告を発しています。
8月半ばおよび10月半ばのボラティリティ急伸は、「世界経済見通しと金融政策スタンスをめぐる不透明性の高まり」を表していると指摘。例えば、米10年債利回りは10月15日に37bpも急低下しました。低下幅は6年1ヵ月前、すなわちリーマン・ブラザーズ破綻の衝撃が走った2008年9月15日を超えていたのです。(*訂正:37bpも急伸→急低下、上昇幅は6年1ヵ月前→低下幅は6年1ヵ月——へ、それぞれお詫びして訂正いたします。)
一因として、レバレッジ投資家の存在が考えられます。今年に入り、ヘッジファンドを中心としたレバレッジ投資家は長期金利の上昇を予測したためか、ユーロダラー先物のショート・ポジションをこれまでにないほど積み増していました。10月半ばになって、異例な水準に膨れ上がったショートがあぶり出されているのが分かります。そういえば、今年リターンが芳しくなかったファンドのひとつはマクロ系ファンドでした。
レバレッジ投資家の動向を示す黄色いライン、最近になってショートが大幅に縮小。
(出所:BIS)
10月15日で底打ちした後、日銀のハロウィーン異次元緩和第2弾を皮切りに中国人民銀行のサプライズ利下げ、欧州中央銀行(ECB)国債を含めたQE実施示唆もあって金融市場は瞬く間に回復。ダウ平均やS&P500などが最高値を更新するに至りました。いかにマーケットが思春期の少年少女のごとく、敏感で不安定かという証左もありますね。凪相場が続いたかと思ったらアッという間に一方向へ傾いてしまうマーケットが続いただけに、ヘッジファンドのリターンがさえず閉鎖数が2009年以来の水準へ増加すると試算されるはずです。
(カバー写真:Zerohedge)
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