NYMEXにオフィスがあった当時、仲良くなった商品トレーダーのお友達がおります。彼とは、NYMEX内のカフェテリアで紅茶とパンを買っていたときに知り合いました。毎朝同じ時間に朝食を買っていたので、顔を何度か合わせる度に友達になったんですよ。知り合ってからはよく朝食をご馳走して下さり、金額にして2ドル相当とはいえいつもなんて気前がいいんだろうと思ってたんです。
その方からチャリティ・イベントに誘われて、彼らしいなぁと納得しました。「センター・フォー・ファミリー・ライフ(Center for Family Life)」という地域支援団体が毎年恒例の記念式典で、今回彼が多額の寄付金で団体を支えた功績を表彰されることになったんですよ!ブルックリンを拠点とする団体ですが、委員会メンバーのご子息が経営する会社のペントハウス。ソーホーのど真ん中にあり、仮に住居向けで購入しようと思ったら軽く500万ドル(約4億円)は下らないでしょう。式典に出席するために事前に125ドル+寄付金を小切手で送る必要がありましたが、お友達の表彰式に加えてこんな魅力的な場所とあればお安いものです。
↓ウェストブロードウェイの手前、グリーンストリートに立っております。
センター・フォー・ファミリー・ライフはブルックリンにある教会で働く尼僧が拠点があるサンセット・パーク周辺にある地域住民を支えるため、1970年後半に設立しました。今では移民にまで支援の輪を広げ、この日提供されたスナックは英語ができない移民の方々が自らの手を使って作ったものだということです。
↓委員会メンバーが中心になり、歴史あるチャリティ団体を支えます。
今回表彰されるこことになった友人は、個人で年間6万ドル以上の寄付金を投じたといいます。「アメリカ南部育ちでユダヤ人」とだけ聞くと保守的な男性像が頭に浮かびがちですが、彼はリベラルの地NYに根を張って生活するだけに、移民への支援活動に興味を寄せられたんすね。実際に彼のために駆けつけたほかの面々をみても黒人、白人、アジア系の私とバラエティに富んでおり、人種や宗教を超えた人類愛を感じます。
特に60歳手前といったお年頃の白人のご婦人との出会いは、彼らしくて笑ってしまいました。雨宿りしていた4年前の午後のこと。白人の女性と当時ご存命だった旦那様の横に、彼が立っていて、雑談を交わしていたんです。雨が上がってサヨナラかと思ったら、彼の方からご夫婦をお茶に誘い出してから、お付き合いが始まったといいます。世知辛い世の中、見ず知らずの赤の他人に、こんな風に自然に手を差し伸べることができるでしょうか。彼の横顔にあらためて迫った後で、自分自身を振り返ってしまいました。
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