お買い物をしていた昼下がり。異様な光景が目に飛び込んできました。キャンプなどアウトドアで使用する簡易チェアに、ビーチ・パラソルまで持ち込んだ若者が34丁目の目抜き通りを陣取っていたんですよ。新型iPhoneの販売という時期でもないのに、一体なんなんでしょうか。
↓女性服飾ブランドMANGOの前に、謎の列が!!
↓なぜかピクニック風の彼らに、私も目を丸くしてしまいました。
実はこの列、すでに34丁目の6アベニュー寄り、元ESPIRTがあった旗艦店の横でも見かけていたんです。家人は、若い男性が多かったことから「新店舗がオープンする前に求職者が事前に面接に来ることもあるから、それだろう」なんて予想していたんですが、フツーに営業している店舗の目の前でも出来上がっているところをみると、そんな理由で片付けられず。取材魂に火が点いてワタクシ、こわごわと列を作る男性にインタビューしてみました。
行列の目的とは。
アフロ系アメリカ人やらスパニッシュ系の男性が多く詰め掛けていたはずです。彼らのお目当ては・・・列を成す店舗横にあるスニーカー小売店「フット・ロッカー(Foot Locker)」が発売する「エア・イージー(Air Yeezy)II」!!!音楽アーティストでファッション・デザイナーとしてもそのクリエイティブな才能を発揮するカニエ・ウェストが、ナイキとタイアップして手掛けたスニーカーなんですよ。
↓すでにフランスで発売開始されているという「Yeezy II」。NYでも待望の一品です。
お値段はといいますと・・・驚くなかれ250ドル。10代後半の少年から20代前半の青年が投資するには、大金といっても過言ではないでしょう。常軌を逸しているのは、その価格だけではありません。インタビューに答えてくれた少年いわく、発売日は6月9日。そうです、まだ1週間もあるんですよ!!!しかも彼を含め、すでに1週間以上もお買い上げのために座り待ちしているんだそうな・・・。スニーカーのために、学校も仕事も休むとは、と思うでしょ??彼いわく「順番で場所取りをしてるんで、仕事もなんとかなってる」といいます。そういう問題じゃないですよね・・。
会話した後で、インタビューした男性がこぶしを作ってタッチし合う挨拶を別れ際に家人と交わそうとしたのですが、家人は華麗に無視しちゃったんです。私が代わりにタッチしましたけど・・・ハイチ系であるうちの家人にしてみると、アフロ系アメリカ人やヒスパニック系しか行列に加わっていない事実をみて、「面汚し」としか写らなかったんですって。学生なら夏休みに入ったばかりだったかもしれませんが、仕事をないがしろにしてスニーカーのために2週間をムダにすることに対し、怒り心頭だったようです。挙句の果てに、近くの店舗の営業まで妨害する有様でしたから・・。
スニーカー発売で財を成すカニエとナイキにはうれしいニュースでしょうが、不安定な経済でキャリアを犠牲にしていいのでしょうか。一部の若い人達にとっては、キャリアよりもファッションが大事なんでしょうけどね。スニーカーを買い占めてeBayで販売するという予定でもないので、投資目的でないことは確かです。カニエのスニーカー、旧型でも1000ドルするんですけどねぇ・・。
↓商売上手な中国人がいなかったのが不思議!iPhoneの時にはいらっしゃったようですが。
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