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ダウ、年初来リターンをプラスへ切り返す

by • June 10, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1893

Dow Swings Back In Black For The Year.

米株、10日は目覚ましい反発を遂げました。そろって、過去1週間の下落を打ち消しています。

ダウ平均  18000.40 +236.36 +1.33%
S&P500  2105.20 +25.05  +1.20%
ナスダック 5076.69 +62.82 +1.25%

ダウ平均は5日ぶりに反発を示し、年初来リターンは3日ぶりにプラス圏を回復していました。S&P500とナスダックは、50日移動平均線を超えて引け。ギリシャ支援協議への進展に楽観度が高まったほか、黒田総裁の発言によるドル高修正も後押ししたもようです。何より、9日の段階でダウ平均とS&P500は50日移動平均線だけでなく一目均衡表・雲の下限も抜けてしまっており、割安感も漂っていたのでしょう。独10年債利回りが一時2014年9ヵ月ぶりに1%台を突破したほか、米10年債利回りも2.485%と2014年9月以来の2.5%乗せが迫ったたものの、反応薄でした。

S&P500、50日移動平均線を超えてクローズ。

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(出所:Stockcharts)

S&P500の10セクター別では、全て上昇。特に足元で下落が目立っていたITが1.6%高と最も大きな伸びを遂げ、次いで金融が1.4%高、エネルギーが1.2%高と続いています。

個別では、以下の銘柄が上昇をけん引しました。

・ネットフリックスが上昇、3.7%高で引け。
→動画ストリーミング大手は、株主総会で授権株式数の引き上げを承認した。優先株を含め1億7000万株から、約50億株に増やす方針。株式分割ヘの道筋を開いたかたちだが、比率に対しては現時点で明らかになっていない。

またマリオット・インターナショナルが、傘下のマリオット・ホテルでネットフリックスのサービス開始を発表した。ネットフリックス会員は自身のアカウントにアクセスできるほか、会員でなくとも滞在期間中は利用が可能となる。ニューヨークやサンノゼのマリオットを皮切りに、今度はサービス対象地域を拡大する予定だ。ニュースを受け、ネットフリックスは過去最高値を更新した。

・マイクロソフトが上昇、2.1%高で引け。
→法人向けに壁掛け式の大型 デバイス「サーフェス・ハブ」を発表した。タッチスクリーン機能を持ち、専用ペンでは文字が書けるほか絵を描くことも可能に。スクリーンの解像度は4Kで84インチは2万ドル、55インチは7000ドル。会議室のホワイトボードの代用品としてだけでなく、遠隔地を結んだ動画カンファレンスも開催できる。

「サーフェス・ハブ」、法人で強みをもつマイクロソフトが本領発揮。
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(出所:Microsoft

・HCCインシュランス・ホールディングスが上昇、36.4%高で引け。
→東京海上ホールディングスは 、米保険大手を75億ドルで買収すると発表した。過去1カ月の平均株価に35.8%上回る水準。日本の損害保険会社による海外での買収としては、過去最大の規模となる。HCC買収は10−12月期中に完了する見通しだという。

その他では、音楽ストリーミング配信「アップル・ミュージック」をめぐりニューヨーク州とコネチカット州の司法当局が独占禁止法違反に関する調査を開始したものの、WWDCの失望感が冷めたアップルが1.2%高。金利上昇で貸出金利マージン拡大が期待された銀行株はJPモルガンが1.6%高、ゴールドマン・サックスも2.0%高で引けています。

ただし取引終了後、格付け会社S&Pはギリシャの格付けを「CCC+」から「CCC」へ引き下げました。向こう12ヵ月先にデフォルトに陥るリスクがあると指摘しています。見通しはネガティブを維持。本日開催のチプラス首相、メルケル独首相、オランド仏大統領の3者会談を前に届いた格下げのニュースで、当局者のお尻に火が点き膠着打破に努めるか注目です。

(カバー写真:Sam valadi/Flickr)

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