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米5月耐久財受注は予想以下も、仄かに見える安定の兆し

by • June 23, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1607

Durable Goods Orders Fall Short, But Suggests A little Hope.

米5月耐久財受注は前月比1.8%減となり、市場予想の0.6%減より下げ幅を広げた。前月の1.5%減(0.5%減から下方修正)を下回り、過去6ヵ月間で4回目の減少を示す。輸送機器が6.4%減となり、前月の2.0%減を含め2ヵ月連続で減少。前月に続き、変動の大きい民間航空機が35.3%減(前月は10.7%減)と押し下げた。半面、自動車は2ヵ月連続で増加した後に±0%に反転。防衛財は8.2%増となり、前月の13.4%減から転じた。

輸送用機器は6.4%減、前月の4.0%減と合わせ2ヵ月連続で減少した。

・民間航空機 35.3%減と前月の10.7%減を含め2ヵ月連続で減少
・自動車 ±0%増と前月の0.4%増を下回り増加を2ヵ月で止める

輸送機器を除く場合は0.5%増と、市場予想と一致した。前月の0.3%減(0.5%増から下方修正)を打ち消している。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は、0.4%増となった。前月の0.3%減(1.0%増から上方修正)から反転。コンピューター・電子機器や機械、金属関連が支えており、全般的に需要が上向き始めた可能性を示す。

・コンピューター/電子機器 2.2%増と前月の2.8%減から増加に反転
・組み立て金属 0.6%増と2ヵ月連続で増加
・一次金属 0.6%増と2ヵ月連続で増加
・機械 0.4%増と2ヵ月連続で増加
・電気機器 0.4%減と2ヵ月連続で減少

耐久財出荷は前月比0.1%減となり、前月の0.2%減を含め2ヵ月連続で減少した。過去6ヵ月間では、4回目の減少を示す。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.3%増となり、前月の0.3%増(0.8%増から下方修正)に続き3ヵ月連続で増加した。

耐久財在庫は0.2%減と、前月の0.2%増から減少に転じた。在庫と出荷がそれぞれ減少したため、在庫相当は前月と変わらず1.67ヵ月だった。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けて「コア資本財の受注は需要が安定化してきた兆しをみせた」と評価した。ただし「在庫が5月に弱含んだ上に、コア資本財の出荷と合わせ4月分が下方修正された」と指摘。4−6月期の出発点が予想外の低水準であり、米4−6月期GDPの予想を「従来の3.4%から3.1%へ下方修正」した。

——米5月耐久財受注は引き続き、製造業センチメントが低空飛行をたどっている様子を示しました。ドル高が重しとなっていることは明白。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文でも引き続きドル高を意識する文言を明記したほか、全体的に金利上昇・ドル高を抑制するトーンが散りばめられていたのは、製造業活動に配慮した余地を残します。その一方で米6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が大幅改善を遂げたように、新規受注動向はコア資本財で明るいサインを点灯させました。出荷動向に反映してくるのか、注目されます。

(カバー写真:James Loesch/Flickr)

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