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テスラQ2は市場予想超えも、2015年販売台数見通しを下方修正

by • August 5, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off5468

Tesla Q2 Result Beats Estimates, Lowers Delivery Guidance.

テスラ、4−6月期は向かい風をものともせず疾走し新車販売台数は好調でした。気になる決算を受け、時間外で株価は一時6.2%も急落。一体何があったのでしょうか。

電気自動車(EV)メーカーが発表した4−6月(第2四半期)決算では、純損失が前年同期比3倍増の1億8420万ドルだった。1株当たり純損失は18.8%増の1.45ドル。調整済み1株当たり損失は0.48ドルと、市場予想の0.60ドルより下げ幅を縮小した。売上高は24.1%増の9億5500万ドル。調整済み売上高は39.7%増の11億9700万ドルと、市場予想の11億8000万ドルを上回った。粗利益率は調整済みベースで23.4%となり、1−3月期の27.7%はもちろん目標値の26%以下に終わった。

キーファクターは、以下の通り。

▽7−9月期実績
・販売台数は52%増の1万1532台、7月発表時の1万1507台を上回る
・2014年11月に販売を開始した全輪駆動車および部分的オートパイロット(自動操縦)搭載の”モデル S 85D ”、”モデル S 70D”が寄与
・北米で中古車サービスを開始、売上に2000万ドル貢献
・欧州の受注は前年比50%増、ドル高を背景に過去6ヵ月間に2回値上げでも
・アジアはほぼ倍増、中国での戦略刷新が奏功
・生産台数は1万2807台、同社目標値の1万2500台を突破
・”モデル S”の認定中古車販売を開始

・営業費用は58.7%増の3億8360万ドル、前期比5.8%増
・販促/一般管理費用は50.6%増の2億180万ドルながら、前期比3.3%増
・研究開発費は68.7%増の1億8170万ドル、前期比8.7%増
・設備投資は405億ドル、1−3月期の4億2610万ドルから縮小
・キャッシュフローは11.5億ドル、2014年10−12月期の15億ドル以下に

>見通し
・7−9月期の生産台数は前年同期比60%増の1万2000台
・出荷台数は1万2000台
・”モデル X”生産開始の影響で、”モデル S”にしわ寄せ
・7月から”モデル S 70”を7万ドルから発売開始
・スポーツ多目的車(SUV)の”モデル X”の出荷は9月へ、従来の7−9月期終盤から明確化
・2015年の”モデル S”と”モデル X”の販売台数目標は5万〜5万5000台とし、5万5000台から下方修正

カリフォルニア州フレモントの工場で2モデルを生産するのも、限界があるのでしょう。
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(出所:Windell Oskay/Flickr)

・7−9月期の粗利益率は、4−6月と同じく23.4%付近
・一般家庭/法人/電力会社受けに蓄電池”テスラ・エナジー”製品の生産を拡充へ
・2015年の設備投資は15億ドルで維持

・2016年の”モデル S”と”モデル X”、生産目標は1週間当たり1600〜1800台(年間8万3200〜9万3600台)
・ギガファクトリーでの燃料電池生産は2016年開始で維持
・廉価版”モデル3”のデザインは2016年1−3月期発表、2017年に販売へ

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、カンファレンス・コールにて「”モデル X”の生産拡大は極めて困難」と発言した。その上で「高品質な乗用車を届ける稼働能力を超えてまで、数字を追いかけるつもりはない」とコメント。”モデル X”の需要に対応できない可能性を点灯させている。資金不足に対し「増資を計画していない」と明かしたものの、可能性に蓋をしなかった。

——2015年販売見通しを引き下げたほか、引き続き資金不足が意識されています。蓄電池”テスラ・エナジー”の売上も、特に言及はなし。”モデル X”の生産開始に伴い、”モデル S”の稼働体制が限定的になるものの”モデル X”で挽回するシナリオも描けず、株価上昇に急ブレーキが掛かってしまいました。

(カバー写真 : Steve Jurvetson/Flickr)

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