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米4月LMCI、雇用統計の鈍化に合わせ4ヵ月連続で低下

by • May 10, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1967

LMCI Falls 4-Month In A Row, Matching With Jobs Report.

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した米4月労働市場情勢指数(LMCI)は0.9ポイント低下し、市場予想のマイナス1より下げ幅を縮めた。前月のマイナス2.1に続き、4ヵ月連続で低下している。4ヵ月連続でのマイナスは、サブプライム危機が火を噴く直前に低下トレンドへ突入した2007年5月から2009年6月までのサイクル以来初めて米4月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が2015年8月以来の水準へ鈍化したほか、労働参加率が低下したことと整合的である。平均時給をはじめ不完全失業率、長期失業者などが改善したものの、力及ばずだったようだ。

景気後退に陥った2007年12月から2009年6月まで約370ポイント低下した後、回復サイクルに入ってから322.3ポイント取り戻した。景気が改善していく過程での平均上昇幅は約4ポイントであることを踏まえれば、12ヵ月以内に低下幅を相殺する見通しだ。ただし、足元で低下が続くだけに景気後退に陥った後の穴埋めに時間が掛かる可能性がくすぶる。

LMCI、金融危機当時以来の4ヵ月連続低下。

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(作成:My Big Apple NY)

――米4月LMCIは軟調なトレンドを維持し、米4月雇用統計も決して力強い数字ではなかったものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)の主要メンバーの一人であるNY連銀のダドリー総裁は年2回の利上げを「妥当な見方(reasonable expectation)」と言及していました。2016年の成長率も2%程度を見込み、米経済が堅調に推移するとの認識を崩していません。一方、ハト派で知られるシカゴ連銀のエバンス総裁はインフレ率が目標値2%を超えることを容認すべきと発言。一時的な上振れこそ目標値の定着を促すと主張しています。年内の成長率を2.5%増と掲げつつ、不透明性とリスク要因が残存するとして「様子見姿勢」が必要と語りました。サンフランシスコ連銀やフィラデルフィア連銀の総裁など、6月利上げ容認派と一線を画します。ひとまず、13日発表の米4月小売売上高を受けてFOMC参加者のトーンに変化が加わるか、注目されます。

ひとつ気になる点は、景気後退入りのシグナルの一つが点灯しつつあることです。リセッション入りまでの1年間、失業率は当月分が前月までの3ヵ月平均値を上回る傾向が高く1948年以降の平均値は4.5回に及びます。失業率は2013年1月以降、前月を上回った例はなかったのですが、3月に5.0%へ上向きました。筆者は米景気が年内にリセッションに陥るとは想定していませんが、4月の失業率は労働参加率が低下したにもかかわらず雇用者が減少し3月から横ばいだっただけに、イエレンFRB議長による「慎重な調整が必要」との発言に説得力が感じられます。

(カバー写真:Sheila in Moonducks/Flickr)

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