Housing Starts Slip, Construction Permits Sluggish.
米5月住宅着工件数と米1−3月期経常収支をおさらいしていきます。
米5月住宅着工件数は年率116.4万件となり、市場予想の115.0万件を超えた。ただし、前月の116.7万件(117.2万件から下方修正)を0.3%下回る。
内訳をみると、一戸建てが前月比0.3%増の76.4万件と2ヵ月連続で増加した。複合住宅は1.2%元の40.0万件となり、前月から減少に反転している。前年比での住宅着工件数は9.5%増と、前月の2.1%減から反転した。一戸建てが10.1%増と前月の2.1%増から大幅に増加し2桁増へ戻したほか、複合住宅も8.4%増と前月の9.4%減から転じた。
4大地域別では、前月と同じく2地域で増加した。今回は西部が14.4%増の27万件と4ヵ月ぶりの高水準だったほか、南部も1.5%増の61.3万件と直近で最高を示す。反対に北東部は33.3%減と2ヵ月連続で2桁減を示し、件数自体も8.2万件と4ヵ月ぶりの水準へ減少した。中西部は2.5%減の19.9万件と、前月から減少へ転じた。
米5月建設許可件数は113.8万件となり、市場予想の114.5万件に届かなかった。前月の113.0万件(111.6万件から上方修正)を0.7%上回ったとはいえ、住宅着工件数以下が続く。内訳をみると、一戸建てが2.0%減の72.6万件と前月の増加をほぼ打ち消した。複合住宅は5.9%増の41.2万件と、2ヵ月連続で増加した。建設許可件数の前年比は10.1%減と前月の5.3%減から下げ幅を拡大し、2ヵ月連続で落ち込んだ。一戸建てが4.8%増(前月は8.4%増)と鈍化し、複合住宅も28.1%減(前月は23.8%減)と下げ幅を広げた。
米5月建設中件数は前月比1.8%増の101.9万件となった。4ヵ月連続で増加し、件数ベースでは2008年2月以来の水準を遂げた。一戸建てが0.9%増の43.5万件と15ヵ月連続で増加したほか、複合住宅も2.5%増の58.4万件と4ヵ月連続で増加した。
住宅着工件数、リセッション前の平均値は遠い。
――米5月住宅着工件数・一戸建てのうち75%が販売目的とされるため、57万件が住宅市場に流れ込む見通しです。米4月新築住宅販売件数に程遠く住宅在庫ひっ迫懸念に解消期待が高まります。一方で米6月NAHB住宅市場指数が急伸しており、需要回復を狙い住宅価格を引き下げるかは不透明。おまけに建設許可件数自体には、鈍化のサインが点灯しています。これまで成長を支えてきた住宅投資は、4〜6月期に減速する可能性が出てきました。
▽米1−3月期経常収支、貿易赤字は縮小も前期から赤字拡大
米1−3月期経常収支は1247億ドルの赤字となり、市場予想の1250億ドルの赤字とほぼ変わらなかった、前期の1134億ドルから増加し、第一次所得収支(対外金融債権、債務から発生する利子、配当などの収支状況)が375億ドルの黒字と、前期の471億ドルを下回ったことが響いた。財・サービス収支つまり貿易収支は1219億ドルと、前期の1242億ドルから赤字が縮小している。1−3月期の経常赤字は国内総生産(GDP)比2.7%となり、前期の2.4%から拡大した。
(カバー写真: Bryan Siders/Flickr)
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