NY Fed Manufacturing Index Slips Further, While IP Improves.
米10月NY連銀製造業景況指数、米9月鉱工業生産をおさらいしていきます。
米10月NY連銀製造業景況指数（エンパイア）はマイナス6.8となり、市場予想1より弱い結果となった。前月のマイナス2.0からは下げ幅を拡大。3ヵ月連続で分岐点割れし、8ヵ月ぶりの水準へ沈んだ。項目別では、ヘッドラインほど悪化せず。入荷時間がマイナス幅を広げた程度で、新規受注をはじめ出荷、雇用など主要項目は下げ幅を縮小した。詳細は、以下の通り。
エンパイア、前月に続き現況指数が低下も見通しが上昇（ブルーが現況、赤が見通し）。
（作成：My Big Apple NY）
・新規受注 マイナス5.6、2ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス7.45、6ヵ月平均はマイナス2.6
・出荷 マイナス0.6、2ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス9.38、6ヵ月平均は1.2
・在庫 マイナス12.3、8ヵ月連続で分岐点割れ＜前月はマイナス12.5、6ヵ月平均はマイナス10.1
・雇用 マイナス4.7、4ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス14.29で年初来で最低、6ヵ月平均はマイナス3.7
・平均労働時間 マイナス10.4、2ヵ月連続で分岐点割れ＞前月はマイナス11.61と年初来で最低、6ヵ月平均はマイナス6.5
・仕入れ価格 22.6と2014年9月以来で最高＞前月は16.96、6ヵ月平均は18.2
・販売価格 4.7＞前月は1.79、6ヵ月平均は0.9
・入荷時間 マイナス11.3、3ヵ月連続で分岐点割れ＜前月はマイナス6.3、6ヵ月平均はマイナス4.5
・受注残 マイナス10.4、6ヵ月連続でマイナス＞マイナス11.61、6ヵ月平均はマイナス10.0
6ヵ月先見通し指数は36と前月の34.53から上昇し、2015年4月以来の高水準だった。全体的に上昇し新規受注や出荷は2015年1月以来の高水準だったほか、雇用、設備投資などが上昇。仕入れ価格は前月値を10ポイント上回り、2014年9月以来の水準へ急伸した。
▽米9月鉱工業生産、予想通り上昇に反転も稼働率は低水準
米9月鉱工業生産指数は前月比0.1％上昇し、市場予想と並んだ。前月の0.5％の低下（0.4の低下から下方修正）からプラス圏を回復している。稼働率は75.4％と、市場予想の75.6％に届かず。2015年10月以来の力強さを示した前月の75.9％も下回り、リセッション前の80％は依然として遠い。
内訳をみると、製造業（全体の78.47％）が前月から回復した。米9月新車販売台数が1700万台の大台を奪回しつつ、自動車は伸びが鈍化している。むしろ自動車を除いた製造業が0.2％の上昇となった。機械の落ち込みが激しかったほか、コンピューター・電子機器は弱い。一方で公益（全体の10.76％）は、2ヵ月連続で低下した。鉱業（全体の10.76％）は、原油先物が40ドル台で安定推移するなか、プラス圏を回復している。
・製造業 0.2％の上昇＞前月は0.5％の低下、6ヵ月平均は0.1％の低下
あ自動車 0.1％の上昇＜前月は0.9％の上昇、6ヵ月平均は0.7％の上昇
あ機械 0.6％の低下＞前月は2.3％の低下、6ヵ月平均は0.6％の上昇
あコンピューター／電気製品 ±0％＞前月は0.7％の上昇、6ヵ月平均は0.1％の上昇
・公益 1.0％の低下＜前月は0.3％の低下、6ヵ月平均は1.3％の上昇
あ電力 0.9％の低下＜前月は0.3％の低下、6ヵ月平均は1.0％の上昇
あ天然ガス 2.1％の低下＜前月は0.1％の低下、6ヵ月平均は4.5％の上昇
・鉱業 0.4％の上昇＞前月は1.0％の低下、6ヵ月平均は0.3％の低下
鉱工業生産、前年比は13ヵ月連続で低下も下げ幅は縮小。
（出所：FRBより作成、My Big Apple NY）
――はヘッドラインほど弱含まず、見通し指数は2015年4月以来の高水準を遂げており、明るい材料を提供しました。逆に米9月鉱工業生産は上昇に転じたとはいえ、稼働率の低迷が気掛かり。原油先物は約4ヵ月ぶりに51ドルを乗せたものの、製造業活動の回復は勢いに乏しい実体が浮かび上がっています。アトランタ連銀の米7～9月期GDP予想は14日時点で1.9％増でしたが、来週28日の速報値発表までに上方修正させる材料が飛び出すでしょうか。
（カバー写真：Thomas Hawk/Flickr）
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