Rage Against the Machine VS Rage Against The Middle Class??
音楽界といえばリベラル・左派寄りが割合多く、民主党を支持する活動が目立ちます。最近だと2004年の大統領選で、P.Didyが「Vote or Die」なるキャンペーンを展開し、当時の民主党のケリー候補への投票を呼びかけましたよね。
興味深いことに、音楽界がいくら民主党寄りでも保守派はイデオロギーが異なるにも関わらず労働者寄りの音楽が大好き☆共和党のミット・ロムニー米大統領候補が選んだ副大統領候補のポール・ライアン米下院・予算委員長（ウィスコンシン州選出）は、お気に入りバンドにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン（RATM）を挙げてました。財政タカ派の旗手でメディケア（高齢者向け医療保険）をはじめ教育意費の大胆な削減を主張するライアン議員が、過激なオルタナティブ・ロックの先駆者に心酔したとは意外です。「過激」という共通項はございますが・・・。
最強のエクササイズ「P90X」の創立者とのツーショット、ワーカホリックでワークアウト・ホリックなんです。
記憶に新しいのは、2008年の米大統領選挙で彗星のごとく現れたサラ・ペイリン前アラスカ州知事。彼女はハートの「バラクーダ」をテーマソングに使ってましたっけ。大統領候補となったマケイン氏も、フー・ファイターズの「マイ・ヒーロー」を選びました。2012年の大統領予備選では、ミシェル・バックマン候補がトム・ぺティーの「アメリカン・ガール」、ニュート・ギングリッチ候補がサバイバーの「アイ・オブ・タイガー」をキャンペーンに採用してましたよね。他にニュージャージー州のクリス・クリスティー知事がブルース・スプリングスティーンの大ファンだったり、古くはチャールズ・マンソンがビートルズに傾倒していた事実がございます。
思想が異なるためバンド側は大抵、共和党保守派のラブコールに拒否反応を示すことがしばしば。ハート、トム・ぺティー、サバイバーは、こぞって使用禁止を求めました。そして米大統領選を控え、ポール・ライアン候補にもRATMのギタリストが火を噴いたのです！
RATM、90年代に頭角を現し2010年までに1600万枚のアルバムを売り上げました。
RATMのギタリストのトム・モレロは左派による格差撲滅運動「ウォール街を占拠せよ」に賛同していただけに、ローリングストーン誌のOp-Ed（寄稿文）で、ライアン候補に対し
「his guiding vision of shifting revenue more radically to the one percent」
→歳入を（富裕層である）1％に対し、より徹底的に振り向けようとする考え方をもつ
と、痛烈に批判しました。その上で保守派であるライアンは
「A rage against women, a rage against immigrants, a rage against workers, a rage against gays, a rage against the poor, a rage against the environment.」
→女性、移民、労働者、同性愛者、貧困層、環境に対する怒りに満ち溢れている
と切り捨ててます。この人はコールド・プレイのクリス・マーティンととも映画「ザ・アベンジャーズ」で知られるマーク・ラファロとともに金融取引税を通じ貧困層を救う「ロビン・フッド税」を提唱してますから、ライアン候補への攻撃は火を見るより明らかです。
ライアン候補、RATMを好きなバンドに挙げることが過激だったかも？
ロムニー・ライアンの米正副大統領候補コンビ、成立してからまだ1週間しか経っていないのに、バンドのシルバーサン・ピックアップスから早速抗議文書を受け取ってます。シルバーサン・ピックアップスの楽曲「パニック・スウィッチ」を無断で使用したとか。ロムニー側はブランケット・ライセンス（包括的な使用許諾契約方式）に基づいており違法ではない、と説明してましたが、「今後は使用しない」とまとめてました。いっそのこと、保守派バンドのリストを送ってあげましょうかね～。
共和党の名誉のために付け加えるならば、こんな事実も。オバマ米大統領も2008年のキャンペーンで、ソウル＋R&Bデュオであるサム・アンド・デイブのサム・ムーアから、「Hold on、I’m coming」の楽曲使用を拒否されたんです。当時のオバマさんも、他共和党の面々のように使用を取り下げてましたよ。
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