Will The Big Apple Bear A New Apple? Roosevelt Island Is Turning Into NYC’s Silicon Valley.
我が家があるロングアイランド・シティとマンハッタンの間に浮かぶ、ルーズベルト・アイランド。長さ3km、幅は最大でも240mという非常に小さな島に、巨大スケールの成長シナリオが描かれつつあります。
コーネル大学が総額20億ドルという巨額を投じ、NY版シリコン・バレーを誕生させる計画を押し進めているのですよ。ロングアイランド・シティのイーストリバー沿いを縁取る「ガントリー・プラザ・ステート・パーク(Gantry Plaza State Park)」の向こうにみえるルーズベルト・アイランドに、真っ白なサイトが立ち上がるなど異変が生じているなと思っていたんですが、ニュースを聞いて納得です。これまでマンハッタンに点在した応用科学やエンジニアなどテクノロジー専門の大学院コーネルNYCを島に集中させるだけでなく、ベンチャー企業誘致も含んだ一大IT拠点を築き上げるという奇想天外な取り組みの完成は、2017年とのこと。
真っ白な無機質な建造物をみて、ずっと不思議に思ってたんです。
壮大なNY版シリコン・バレー計画の立役者は、やはりこの人ブルームバーグ市長。リーマン・ショック後にウォールストリートが壊滅的な打撃を受けてから4年、未だ爪あとが残る金融機関はリストラを継続し金融街からの税収拡大見込めず。NY州に本社を構えるIBMをはじめソフトウェア産業を軸に据えるなか、次世代の成長産業としてITに目をつけたのでしょう。NY市は2011年12月には「応用科学NYC」と題して、IT産業育成を目指したプレゼンを開催。スタンフォード大学を含む6つの候補からコーネル大学とイスラエルのテクニオン工科大学のタッグ・チームに白羽の矢を当て、第2のシリコン・バレー建設にゴーサインを送ったのでした。
コーネル大学を筆頭に出資する20億ドルには、同大学卒でデューティー・フリー・ショッパーズ・グループで巨万の富を築いた資産家であり慈善活動家のチャールズ・フィー二ー氏の寄付金も含まれます。
プレゼン資料を紐解き、計画の中身を見てみましょう。
太陽発電を生かし、森林を守り完全環境配慮型です。
内部のデザインは、もちろんシンプル・イズ・ザ・ベストなアップル風。
NY市はプロジェクトの経済効果につき
・2万人の工事作業員
・8000人に正社員雇用の創出
・関連事業600社の立ち上げ
・向こう30年間で230億ドルの経済効果
を挙げていました。
西海岸に拠点を置くIT企業も、NY市の指揮の下で進むコーネル大学の計画にすでに参加しております。たとえばグーグルは、マンハッタンにあるチェルシー地区に2年前に20億ドルで購入したオフィス機能を無料でコーネル大学の施設へ貸し出すことを決定。フェイスブックもプログラマーが意見を交換し合うページ「ハッカソン(hackathon)」で、活発な情報交換の場を提供しているんだとか。Eベイやアマゾンがコラボするのも、時間の問題とのことです。
問題は交通の便。ケーブルカーと地下鉄F線1本しかとまらないのですが・・。
本家本元シリコン・バレーの企業はグーグル以外でも、マンハッタンへ進出済みだったり。たとえばツィッターは5thアベニューの1本イーストリバー寄りであるマディソン・アベニューにオフィスを構え、Eベイも5月にマンハッタンはユニオン・スクエアにほど近いフラトリオン地区へ一部機能を移転させる計画を発表していました。
ビッグアップルからアップルもビックリな革新的技術が誕生する日も、そう遠くないかもしれません。
ちなみに未来のNYを担う都市開発計画なだけに、環境を破壊せずテクノロジーとの共存を図っております。NY市は分別ゴミが徹底しておりませんが、第2のシリコン・バレーが正式稼動する2017年には、環境にやさしい都市へ変貌を遂げているのでしょうか。
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