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米12月小売売上高は予想以下も、ホリデー商戦を受けオンラインの好調ぶりは健在

by • January 13, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2284

Retail Sales Supported By Online Shoppers In December.

米12月小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想の0.5%増を下回った。前月の0.9%増(0.8%増から上方修正)を超え、4ヵ月連続で増加した。米12月新車販売台数は改善したほか、ホリデー商戦結果が示すようにオンライン売上を中心に消費が広がった。自動車を除いた場合は0.4%増と、市場予想と一致。前月の1.3%増(1.0%増から上方修正)を含め、6ヵ月連続で増加した。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は前月比0.3%増と、前月の1.2%増(0.8%増から上方修正)を下回ったとはいえ、こちらも6ヵ月連続で増加した。

小売売上高、前年比では小売売上高のコントロールはレンジ超え。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、主要13カテゴリー中で8項目がプラスとなり前月の12項目から減少した。ホリデー商戦開幕早々にブラック・フライデーなどオンライン売上高が過去最高を更新したように、引き続き非店舗が牽引した。北東部を中心に積雪に見舞われ、建築・園芸も力強い。その他、外食や家具などが支えた。一方で雑貨やスポーツ用品のほか、服飾などが減少に転じている。項目別の詳細は、以下の通り。

(プラス項目)
・非店舗(オンライン含む)→1.2%増<前月は4.2%増、6ヵ月平均は1.3%増
・建築材/園芸→1.2%増>前月は0.5%増、6ヵ月平均は1.1%増
・外食→0.7%増>前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.3%増

・家具→0.7%増>前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.7%増
・食品/飲料→0.5%増>前月は0.4%増、6ヵ月平均は0.5%増
・ヘルスケア→0.4%増=前月は0.4%増、6ヵ月平均は0.4%増

・自動車/部品→0.2%増>前月は1.0%減、6ヵ月平均は0.6%増
・一般小売→0.1%増>前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.4%増
(*百貨店は0.1%増<前月は0.3%増、6ヵ月平均は0.4%増)
・ガソリン・スタンド→±0%<前月は3.0%増、6ヵ月平均は2.0%増

(マイナス項目)
・電気製品→0.2%減<前月は2.4%増、6ヵ月平均は0.1%増
・スポーツ用品/書籍/趣味→1.6%減<前月は0.2%増、6ヵ月平均は±0%
・服飾→0.3%減<前月は0.6%増、6ヵ月平均は0.3%増
・雑貨→2.9%減<前月は3.8%増、6ヵ月平均は0.7%増

――12月はホリデー商戦が下支えしたものの、前月のブラック・フライデーやサイバー・マンデーなどのセールで支出が大幅増だった反動もあって、伸びが鈍化しました。それもそのはず、コントロール小売売上高の前月分は0.4%ポイントも大幅な上方修正を迎えていたのですよ。前月比では反動が出たものの、12が宇tの前年比は5.7%増と、約6年ぶりの高い伸びを達成。オンラインの貢献が大きかったことは、言うまでもありません。

主な項目別でも、非店舗=オンラインの顕著な伸びは疑いようもありません。

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(作成:My Big Apple NY)

今回、外食の伸びが顕著だったことも重要です。米12月雇用統計で明らかになった通り、雇用の牽引役は娯楽・宿泊で同セクターのうち、外食の雇用を表す食品サービスが9割近くを占めていたのです。食品サービス自体、雇用統計の非農業部門就労者数(NFP)の10%近くに相当します。

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(作成:My Big Apple NY)

逆に言えば失業率が2000年末の低水準をつけるなかで、当時と異なり食品サービスのシェアが10%近くを占めているだけに、賃金の伸び悩みが生じているとも解釈できます。しかし、足元での同セクターの貢献が高いことも事実。今後の食品サービスの雇用を見極める上で、小売売上高の外食にも注意が必要です。

【追記】
2017年のホリデー商戦は前年比5.5%増の6,919億ドルと、全米小売業協会(NRF)の予想である3.6〜4%増の6,787.5億〜6,820億ドルを超えていきました。少なくとも、2010年の5.2%増を超え伸び率は景気回復サイクルで最高となります。オンライン売上高が前年比11.5%増の1,384億ドル(NRF予想は11〜15%増の1,377億〜1,426億ドル)だったので、全体の20%に達します。小売売上高は10%手前でしたが、ホリデー商戦は大量に買い込む必要もあって、オンラインを選好したわけですね。

品目別は、季節調整前の前年比で以下の通り。

・建築材→8.1%増
・家具・内装→7.5%増
・電気製品→6.7%増
・一般消費、百貨店→4.3%増
・服飾、アクセサリー→2.7%増
・健康、ケア用品→2.2%増
・スポーツ用品→0.5%減

失業率が2000年末以来の低水準で、所得もゆるやかながら伸び、株価も過去最高と資産効果も相俟って、2017年のホリデー商戦は好調に幕を閉じました。2018年は税制改革実現を経て、ホリデー商戦も景気の良い数字が飛び出すのでしょうか?

(カバー写真:Intel Free Press/Flickr)

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