Patriots Won The Super Bowl, What Does It Mean To The U.S. Stock Market?
第53回スーパーボウルは、ニュー・イングランド・ペイトリオッツが見事優勝を果たしました。ペイトリオッツの要、トム・ブレイディ選手にとっては6回目のヴィンス・ロンバルディ・トロフィーとなり、クオーターバックとして最多優勝記録を更新しています。41歳と選手としては高齢ながら金字塔を打ち立てた彼は、どのような決断を下すのでしょうか?
市場関係者からすれば、今回の結果は強弱ミックスと言えるでしょう。”スーパーボウル・インディケーター”に基づけば、下落のサインが点灯しました。ナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)に属するチームが制すればその年の米株は上昇、逆にアメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)側のチームであれば米株相場は下落するという、あのアノマリーですね。今年はAFCに属するペイトリオッツが覇者となったため、米株相場にはマイナスです。とはいえ、1968年以降、2018年までのスーパーボウルを51回を数えるなかで”スーパーボウル・インディケーター”の勝率は78%。しかし、直近の過去4年は以下の通りで、4連敗中です。
●2018年
→ニュー・イングランド・ペイトリオッツ(AFC)VS フィラデルフィア・イーグルス(NFC)の試合では、イーグルスが勝利したものの、S&P500は4.4%安。
●2017年
→ニュー・イングランド・ペイトリオッツ(AFC)VS アトランタ・ファルコンズ(NFC)の試合では、ペイトリオッツが勝利したものの、S&P500は21.8%高
●2016年
→デンバー・ブロンコス(AFC) VS カロライナ・パンサーズ(NFC)の試合では、ブロンコスが勝利したものの、S&P500は12.0%高
●2015年
→ニュー・イングランド・ペイトリオッツ(AFC)VS シアトル・シーホークス(NFC)の試合では、ペイトリオッツが勝利したものの、S&P500は1.4%高
ところが、ペイトリオッツだけでみると話は変わります。実は上記の通り、スーパーボウルでペイトリオッツが勝利すると、米株高を迎えているのですよ。逆に2018年の通り、米株相場が下落するというわけです。ペイトリオッツがNYジャイアンツに惜敗した2008年と言えば金融危機が米国を直撃した年で、S&P500は37%も急落しました。このように、ペイトリオッツの優勝アノマリーだけみれば、今年の米株相場は安泰?
さて、本選以外で例年通り大盛り上がりだったのは、スーパーボウルの試合中に放映されるTV広告です。今年は特に、大人気女性ラッパー、カーディ・Bが登場したペプシのCMが話題を呼びました。
今年はチケットの売れ行きが芳しくなかったとはいえ、スーパーボウルと言えばアメリカ人の3分の1、1億人超が視聴すると言われています。それだけに、各社がこぞって広告を打ち出すため、今年もCM放映料は高騰!スーパーボウルの放映権を獲得したCBSは、30秒のCM広告放映料として510万〜530万ドルを提示したといいます。いかに景気が良いか、物語っていますね。
これだけ高額の放映料ですから、スーパーボウルのTV広告の常連企業が気になったので調べてみました。広告調査会社アドランドによるデータによれば以下の通りで、それぞれの指標から総合的に判断して順位をつけております。
10位 ホンダ
スーパーボウルTV広告放映数:30件
スーパーボウルTV広告放映時間:1,058秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:18回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:8,290万ドル
9位 フェデックス
スーパーボウルTV広告放映数:31件
スーパーボウルTV広告放映時間:1,050秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:19回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:6,620万ドル
8位 ミラー(モルソン・クアーズ)
スーパーボウルTV広告放映数:30件
スーパーボウルTV広告放映時間:886秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:25回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:3,890万ドル
7位 ドッジ(フィアット・クライスラー)
スーパーボウルTV広告放映数:39件
スーパーボウルTV広告放映時間:1,230秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:18回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:8,520万ドル
6位 トヨタ
スーパーボウルTV広告放映数:41件
スーパーボウルTV広告放映時間:1,515秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:21回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:1億4,600万ドル
トヨタは、もちろん”スープラ”で攻めます。
(出所:youtube)
5位 フォード
スーパーボウルTV広告放映数:52件
スーパーボウルTV広告放映時間:1,800秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:23回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:1億980万ドル
4位 マクドナルド
スーパーボウルTV広告放映数:54件
スーパーボウルTV広告放映時間:2,070秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:26回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:1億890万ドル
3位 コカコーラ
スーパーボウルTV広告放映数:51件
スーパーボウルTV広告放映時間:2,242秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:29回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:2億200万ドル
2位 ペプシ
スーパーボウルTV広告放映数:92件
スーパーボウルTV広告放映時間:3,780秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:34回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:2億8,950万ドル
1位 バドワイザー(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)
スーパーボウルTV広告放映数:135件
スーパーボウルTV広告放映時間:4,380秒
TV広告を放映したスーパーボウルの回数:53回
インフレ調整済みのスーパーボウル広告費用:4億4,950万ドル
Youtubeで最も面白いCMベスト10として紹介されたのは、こちら。
——皆様の予想通り、自動車、食品・飲料がズラリ並びました。この中で2位のペプシは、2007年と2013年以降ずっとハーフタイム・ショーでスポンサーを務めていることが大きいでしょう。ところで、そのペプシは2008年に始まりリーマン・ショック直後の2009年から2012年、米企業が未曾有の危機から立ち上がる局面でハーフタイム・ショーのスポンサーではありませんでした。
では未曾有の危機の間にどの企業がスポンサーを務めたかというと・・わが日本のブリヂストンです。あの頃は米政府傘下に入ったGMなど、数多くの企業が広告費を捻出する場合ではなかったというのに、よくぞ5年にわたって大役を買って出たものですよね。
逆に、不動産バブルがピークアウトした2005年のハーフ・タイム・ショー・スポンサーは、何とアメリクエスト・モーゲージというサブプライム層向けとしては大手の住宅ローン事業会社でした。2007年9月には破産申請を行ったのは、ご記憶の方も多いのでは?こうしてみると、ハーフ・タイム・ショーのスポンサーをはじめ、栄枯盛衰を感じさせます。
(カバー写真:Brook Ward/Flickr)
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