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米5月チャレンジャー人員削減予定数は大幅増、採用予定数も減少

by • June 7, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1998

Job Cuts Surge And Hire Plans Decline In May.

米5月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比85.9%増の58,557人だった。2015年7月以来で最大となる。前月比でも46.4%増となる。年初来では同39.0%増の289,010人と、2桁増のペースを保った。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのヴァイス・プレジデント、アンドリュー・チャレンジャー氏は、結果を受け「テクノロジー関連の人員削減予定数が最大となり、足元で多くのテクノロジー関連のほか、通信関連も年配の労働者に対し早期退職報奨金を提示している」という。一方で、引き続きオンライン小売の競争に直面するなかで小売業も店舗閉鎖に伴い人員削減を行う状況で変わらず「2017年1月以降、18,242店舗がクローズした」と説明。そのほか「メキシコとの潜在的な貿易戦争への懸念に加え、コスト上昇、消費者の需要低下を受けて、製造業や自動車関連も人員削減計画を進めている」と明かした。一例としては、5月に全世界の従業員の10%に相当する7,000人の人員削減を発表したフォードを挙げた。

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(作成:My Big Apple NY)

人員削減が多かったセクターのランキングは、単月で以下の通り。チャレンジャー・グレイ・クリスマスの指摘通り、通信が全体を押し上げた。前月は1位が産業、2位が消費財、3位が小売、4位が金融、5位がヘルスケアだった。

1位 テクノロジー 12,635人(全体の21.6%)
2位 通信 6,751人(全体の11.5%)
3位 食品 5,363人(全体の9.2%)
4位 産業財 5,248人(全体の9.0%)
5位 教育 3,140人(全体の5.4%)

州別動向は、年初来で以下の通り。

1位 カリフォルニア州 40,956人(全体の14.2%)
2位 ニューヨーク州 33,449人(全体の11.6%)
3位 マサチューセッツ州 32,301人(全体の11.2%)
4位 テキサス州 19,662人(全体の6.8%)
5位 イリノイ州 18,274人(全体の6.5%)

リストラ実施の理由、年初来のランキングは以下の通り。

1位 再編 79,980人(全体の27.7%)
2位 閉鎖 50,720人(全体の17.5%)
3位 理由不明確 40,560人(全体の14.0%)
4位 コスト削減 33,824人(全体の11.7%)
5位 契約切れ 20,295人(全体の7.0%)

採用予定数は、前年同月比12.4%減の8,663人だった。前月比では96.7%減となる。ただし、年初来では約2倍の452,652人だった。セクター別では、以下の通り。前月は1位が小売、2位が輸送、3位が製薬、4位が消費財、5位がサービスだった。

1位 テクノロジー 1,810人(全体の20.9%)
2位 輸送 1,420人(全体の16.4%)
3位 ヘルスケア 894人(全体の10.3%)
4位 製薬 700人(全体の8.1%)
5位 通信 600人(全体の6.9%)

――人員削減予定数が大幅増だっただけでなく、採用予定数が大幅減となってしまいました。米5月ADP全国雇用者数は前月比2.7万人増と、2010年3月以来の低水準という衝撃的な数字となりましたが、チャレンジャー・アンド・グレイ社の数字も労働市場の減速を示唆しています。パウエルFRB議長が6月4日の講演で、貿易摩擦悪化局面などで「適切な行動をとる」と発言、6月18~19日開催のFOMCを前にWSJ紙は利下げを検討する方向と報じていましたが、米5月雇用統計が利下げ議論を後押しするのか注目です。

(カバー写真:Bromford/Flickr)

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