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米10月ISM非製造業景況指数は予想超え、雇用も改善

by • November 6, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off2146

ISM Non-Manufacturing Index Better Than Expected, Employment Also Rebounds From 2-year Low.

10月のISM非製造業景況指数とマークイット・サービス業PMIをおさらいしていきます。

米10月ISM非製造業景況指数は54.7となり、市場予想の53.5を上回った。2016年8月以来で最低だった前月の52.6から改善している。米中貿易摩擦や世界景気減速が打撃となり約10年ぶりの水準へ低下していた製造業景況指数が下げ止まりつつあるように、米中閣僚貿易協議で第1弾合意の目途が立つなかで、サービス業のセンチメントは前月から悲観が後退した。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、ビジネス活動や新規受注のほか、米10月雇用統計が堅調だったように雇用が上昇した。一方で、新規輸出受注を始め仕入れ価格、在庫変化が低下した。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 57.0>前月は55.2、6ヵ月平均は57.7
・新規受注 55.6>前月は53.7と2016年8月以来の低水準、6ヵ月平均は56.4
・雇用 53.7>前月は50.4と2014年2月以来の50割れ接近、6ヵ月平均は54.4

・新規輸出受注 50.0、2017年1月以来の低水準<前月は50.5、6ヵ月平均は52.8
・在庫変化 50.5<前月は53.0、6ヵ月平均は58.1
・仕入れ価格 56.6<前月は60.0、6ヵ月平均は57.7

ISMのアンソニー・ニーブス会長は、10月に改善したとはいえ「回答者は引き続き、追加関税措置を始め人材不足、地政学的リスクを懸念している」とまとめた。8月の流れを維持し、「見通しに楽観的」の文言を使用していない。業種別では、9月と同じく18業種中13業種が拡大を報告。今回、縮小を報告したのは8~9月に続き卸売、8月に続きその他サービスや教育、さらに10月は小売、鉱業が入った。

▽米10月IHSマークイット・サービス業PMI・確報値、雇用は約10年ぶりの水準へ低下

米10月IHSマークイット・サービス業PMI確報値は50.6と、市場予想の速報値の51.0を下回った。前月の50.7に届かず、2016年3月以来の低水準に。雇用は約10年ぶりの水準へ低下した。ただし、米10月雇用統計は健全な労働市場を裏打ちしており、現時点で雇用悪化の兆しは現れていない。総合PMI確報値は50.9となり前月の51.0から低下した。結果を受け、クリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは「製造業が足元のソフトパッチから脱却しつつあるとはいえ、サービス業と合わせると10~12月期は成長率1.5%以下にとどまる失望的なスタートを切った」とコメント。また「新規受注が低下しており、需要が回復しなければ成長拡大ペースは一段と鈍化しかねない」と指摘するなど、慎重な見方に終始した。

――米10月ISM非製造業景況指数が改善した半面、米10月マークイット・サービス業PMI確報値は鈍化しました。雇用もまちまちな結果となり、特に後者は約10年ぶりの水準へ低下しています。とはいえ、米10月雇用統計は過去分の上方修正を含め、景気後退懸念を払しょくさせる内容でした。雇用統計は遅行指標なだけに、今度雇用が鈍化するのか。チャレンジャー人員削減予定数は10月までの年初来で2015年以来の高水準だった半面、採用予定数は同じく年初来で過去最高を更新中。仮に雇用が鈍化しても、景気循環の域にとどまる可能性を残します。

(カバー写真:Jim Pennucci/Flickr)

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