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米12月小売売上高は3ヵ月連続で減少も、年末商戦は予想超え

by • January 17, 2021 • Finance, Latest NewsComments Off2361

Retail Sales Decrease 3-Month In A Row, But Holiday Sales Exceed Estimates.

米12月小売売上高は前月比0.7%減と、市場予想の0.2%減より下げ幅を広げた。年末商戦の最終戦にありながら、前月の1.4%減(1.1%減から下方修正)を含め3ヵ月連続で減少した。

自動車とガソリンを除いた場合も前月比2.1%減と、11月の1.3%減から下げ幅を拡大。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は1.9%減と市場予想の0.1%増に反し減少しただけでなく、こちらは4ヵ月連続でマイナスとなった。10月から12月にかけ第3波を受け新型コロナウイルス感染者数が過去最多を更新、各州で規制が再導入された影響が小売売上高の重石となっている。

チャート:小売売上高、前月比は3ヵ月連続で減少
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チャート:小売売上高は前年比で2.9%増と7ヵ月連続で増加したなかで3番目に小幅な伸び

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(作成:My Big Apple NY)

前月比の内訳をみると、主要13カテゴリー中6種で増加し、前月の2種を上回った。今回牽引したのは、米大統領選後に追加経済対策期待が高まり油価が戻り歩調となった影響で、ガソリンスタンドとなった。その他、年末商戦を追い風に服飾、自動車・部品など。一方で、ネットを含む無店舗が大きく落ち込み、外食や電気製品、百貨店も落ち込んだ。前月比の項目別詳細は以下の通り。

(プラス項目)

・ガソリンスタンド→6.6%増>前月は1.6%減、6ヵ月平均は2.0%増
・服飾→2.4%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は6.1%減、6ヵ月平均は2.3%増
・自動車/部品→1.9%増、過去5ヵ月間で4回目の増加>前月は1.5%減、6ヵ月平均は0.7%増

・雑貨→1.7%増>前月は0.1%減、6ヵ月平均は1.4%増
・ヘルスケア→1.1%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は0.4%減と4ヵ月ぶりに減少、6ヵ月平均は0.9%増
・建築材/園芸→0.9%増、2ヵ月連続で増加>前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.4%増

(マイナス項目)

・家具→0.6%減、3ヵ月連続で減少>前月は2.1%減、6ヵ月平均は0.3%増
・スポーツ用品/書籍/趣味→0.8%減、3ヵ月連続で減少>前月1.7%減、6ヵ月平均は1.3%減
・一般小売→1.2%減、3ヵ月連続で減少>前月は1.3%減、6ヵ月平均は0.2%減(百貨店は3.8%減>前月は7.6%減と4ヵ月ぶりに減少、6ヵ月平均は1.3%減)

・食料/飲料→1.4%減<前月は1.5%増、6ヵ月平均は0.3%減
・外食→4.5%減、3ヵ月連続で減少<前月は3.6%減、6ヵ月平均は0.4%増
・電気製品→4.9%減、2ヵ月連続で減少>前月は8.3%減、6ヵ月平均は1.0%増
・無店舗(主にネット)→5.8%減、2ヵ月連続で減少<前月は1.6%減、6ヵ月平均は0.4%減

チャート:12月の業種別動向

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(作成:My Big Apple NY)

――12月の小売売上高は予想外に好調で、コロナ以前の水準を回復した業種は9つと、8月の8種から増えてから横ばいが続きます。

チャート:2月時点との比較

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(作成:My Big Apple NY)

小売売上高は振るいませんでしたが、2020年の年末商戦自体は絶好調で前年比8.3%増の7,894億ドルと、事前予想の3.8~5.2%増を上回りました。筆者がテレビ東京の「モーニングサテライト」出演時にご説明致しましたように、住宅リフォーム関連など自宅での生活をエンジョイする項目が支えたほか、ネットも牽引しています。コロナ禍でも、日本のお正月にあたるクリスマスとあって家族や友人にギフトを贈るスピリットは、平時と変わらず。むしろ、非常事態だからこそ支出が増えたとも言えそうです。

(カバー写真:Baker County Tourism Travel Baker County/Flickr)

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