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米1月小売売上高、追加経済対策の小切手を支えに急反発

by • February 17, 2021 • Finance, Latest NewsComments Off2816

Retail Sales Rebound, Buoyed By Stimulus Checks.

米1月小売売上高は前月比5.3%増と、市場予想の1.2%増を上回った。前月の1.0%減(0.7%減から下方修正)から転じ、4ヵ月ぶりに増加した。2020年12月末に成立した追加経済対策(Relief Bill)に個人向け給付が600ドル、さらに失業保険上乗せ300ドル(3月14日まで)などが盛り込まれ、消費に弾みがつき7ヵ月ぶりの高い伸びを達成した。

自動車とガソリンを除いた場合も前月比5.9%増と、前月から増加に反転。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は5.9%増と市場予想の1.0%増を超え、5ヵ月ぶりに増加した。20年10月から21年1月前半にかけ第3波を受け新型コロナウイルス感染者数が過去最多を更新、各州で規制が再導入されたが、1月後半にはカリフォルニア州で規制が緩和されたことも、大幅増加につながったとみられる。

チャート:小売売上高、前月比は4ヵ月ぶりに増加

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チャート:小売売上高は前年比で7.4%増と8ヵ月連続で増加し、2011年9月以来の高い伸びに

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(作成:My Big Apple NY)

前月比の内訳をみると、主要13カテゴリー中すべて増加し、前月の5種を上回った。今回牽引したのは、電気製品を始め家具、、無店舗で、一般小売では百貨店が2桁増を遂げ、裁量消費が伸びを牽引した様子が伺える。前月比の項目別詳細は以下の通り。

(プラス項目)

・電気製品→14.7%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は6.5%減、6ヵ月平均は0.4%増
・家具→12.0%増、4ヵ月ぶりに増加>前月は0.7%減、6ヵ月平均は2.0%増
・無店舗(主にネット)→11.0%増、3ヵ月ぶりに増加>前月は7.3%減、6ヵ月平均は1.1%増

・スポーツ用品/書籍/趣味→8.0%増、4ヵ月ぶりに増加>前月は1.4%増、6ヵ月平均は0.8%増
・外食→6.9%増、4ヵ月ぶりに増加>前月は4.6%減、6ヵ月平均は0.8%増
・一般小売→5.5%増、4ヵ月ぶりに増加>前月は1.8%減、6ヵ月平均は0.7%増(百貨店は23.5%増、4ヵ月ぶりに増加>前月は3.7%減、6ヵ月平均は2.3%増)

・服飾→5.0%増、2ヵ月連続で増加>前月は2.6%増、6ヵ月平均は2.7%増
・建築材/園芸→4.6%増>前月は0.1%減、6ヵ月平均は1.5%増
・ガソリンスタンド→4.0%増、2ヵ月連続で増加>前月は6.5%増、6ヵ月平均は1.9%増

・自動車/部品→3.1%増、2ヵ月連続で増加>前月は2.0%増、6ヵ月平均は1.3%増
・食料/飲料→2.4%増>前月は1.4%減、6ヵ月平均は0.1%増
・雑貨→1.8%増、9ヵ月連続で増加<前月は5.5%増、6ヵ月平均は1.8%増
・ヘルスケア→1.3%増、2ヵ月連続で増加>前月は1.0%増、6ヵ月平均は0.4%増

(マイナス項目)

チャート:1月の業種別動向、追加経済対策を支えに見事に全て増加

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(作成:My Big Apple NY)

――1月の小売売上高は、個人給付と失業保険上乗せのコンボで予想外に絶好調でした。おかげでコロナ禍直前の20年2月の水準を回復した項目はこれまでの9から10へ増加。今回、大幅プラスとなった項目は、住宅市場の活況とhipsturbiaの増加が追い風となった家具です。前月は概して横ばいでしたが、1月は2月比で12%増となっただけでなく、食料・飲料を抜き一気に5位に浮上しています。

チャート:2月時点との比較

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(作成:My Big Apple NY)

9,000億ドルのRelief Billでこれですから、バイデン政権が提示した1人当たり1,400ドルの個人給付を含む1.9兆ドルの追加経済対策が3月末までに成立すれば、ゴールドマン・サックスが予想するように、Q2実質GDP成長率は前期比年率11%増に達してもおかしくありません。さらにワクチン普及拡大も、個人消費爆上げにつながることでしょう。ただし、山高ければ谷深しとなるリスクは否めません・・・。

(カバー写真:Carnaval.com Studios/Flickr)

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