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米3月PCEコアは前年比で高止まり、貯蓄率は改善続く

by • May 2, 2023 • Finance, Latest NewsComments Off1951

Key Inflation Gauge For The Fed Shows Elevated At 4.6%.

Fedが注目する米3月PCE価格指数コアの前年同月比は市場予想を上回っただけでなく、2月分が上方修正されるなど高止まりを示唆しました。エコノミストがインフレ高止まりの長期化を懸念する理由となっています。

米3月個人消費支出は前月比横ばいと、市場予想の0.1%減を上回った。前月の0.1%増(0.2%増から下方修正)からは弱まり、増加トレンドを2カ月で止めた。

〇個人消費支出

個人消費の結果は以下の通り。名目ベースは増加した半面、インフレを除く実質ベースは減少した。

・前月比横ばい、市場予想の0.1%減を上回る、前月は0.1%増と2カ月連続で増加
・前年比では6.2%増と21年1月以降の増加トレンドを維持、前月は7.4%増
・実質ベース前月比横ばい、前月は0.2%減と過去4カ月間で3回目のマイナス
・前年比では1.9%増と21年3月以降の増加トレンドを維持、前月は2.2%増

費目別でみると、耐久財は自動車が前月比1.8%減、家具など家庭用耐久財も0.8%減とそろって2カ月連続で減少するなか、2カ月連続で減少した。非耐久財も3カ月ぶりに減少し、ガソリンが2.3%減と3カ月ぶりにマイナスだったほか、食品・飲料は0.3%減、服飾・靴類も1.1%減と2カ月連続で減少していた。サービスは25カ月連続で増加、外食や宿泊、ヘルスケア、光熱費などが支えたが、耐久財と非耐久財のマイナスを相殺できなかった。

個人消費支出の内訳(前月比ベース)
・財 横ばい、前月は0.1%増と2カ月連続で増加
・耐久財 0.6%減と過去5カ月間で4回目の減少、前月は0.2%減
・非耐久財 0.4%減と3ヵ月ぶりに減少、前月は0.6%増
・サービス 0.4%増と25ヵ月連続で増加、前月は0.2%増

チャート:個人消費、前月比の項目別内訳

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(作成;My Big Apple NY)

チャート:個人消費、前月比ベースでの名目と実質の違い

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(作成:My Big Apple NY)

〇個人所得

米3月個人所得は前月比0.3%増と、市場予想の0.2%増を上回った。前月の0.3%増と一致し、14カ月連続で増加した。

個人所得の結果は以下の通り。

・前月比0.3%増と14カ月連続で増加、市場予想と前月の0.3%増と一致
・前年比では6.0%増と12ヵ月連続で増加、前月は6.0%増
・実質ベースは前月比0.2%増、前月は横ばいと6カ月連続での増加トレンドにブレーキが掛かる
・前年比では1.7%増と4カ月連続で増加、前月は1.1%増

個人所得のうち、名目ベースで賃金・給与は25ヵ月連続で増加したものの伸びは前月と一致した。一方で、家賃収入が引き続き力強い伸びとなり全体を支えた。なお、米疾病対策センター(CDC)は21年8月、新型コロナウイルス感染予防策対策として、感染率が高い地域を対象に新たに21年10月3日まで住宅立ち退き猶予期間を設定。しかし、家主や不動産団体が撤回を求め提訴し、米連邦最高裁判所が21年8月26日に無効の判断を下したため、販売用物件の減少も重なって家賃の上昇が進行した。足元、新規契約分の家賃は前月比で下落が指摘されているが、家賃は基本1~2年契約のため、下落が反映されるまでラグを伴う傾向がある。

所得の内訳は、名目ベースの前月比で以下の通り。

・賃金/所得 0.3%増と25ヵ月連続で増加(民間は0.3%増、政府部門は0.3%増)、前月は0.3%増
・経営者収入 0.1%減と2カ月連続で減少(農業は4.0%減、非農業は0.1%増)、前月は0.2%減
・家賃収入 1.4%増と14ヵ月連続で増加、前月は1.4%増
・資産収入 0.5%増と14ヵ月連続で増加(金利収入が0.1%減、配当が1.3%増)、前月は0.1%増
・社会補助 横ばい、前月は0.7%増
・社会福祉 横ばい、前月は0.7%増(メディケア=高所得者向け医療保険は0.8%増、メディケイド=低所得者層向け医療保険は0.5%増、失業保険は3.5%増、退役軍人向けは0.5%増と増加基調を維持、その他は2.2%減)

チャート:個人所得、前月比の項目別内訳

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(作成:My Big Apple NY)

〇可処分所得
・前月比0.4%増と13ヵ月連続で増加、前月は0.5%増
・前年比は8.3%増と11ヵ月連続で増加、前月は8.5%増
・実質ベースの可処分所得は0.3%増と9カ月連続で増加、前月は0.2%増
・前年比は4.0%増と3ヵ月連続で増加、前月は3.2%増

〇貯蓄率
5.1%、前月の4.8%を上回り2021年12月以来の高水準。2019年平均の8.8%以下が続くが、1959年のデータ取得以降で3番目の低い伸びとなった2022年6月の2.7%から改善基調を継続、過去最低は2005年7月の2.1%。

チャート:個人消費の伸びが鈍化し、貯蓄率を小幅押し上げ

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(作成:My Big Apple NY)

〇個人消費支出(PCE)価格指数

Fedの積極的な利上げにも関わらず、コアPCEは前年同月比が市場予想を上回っただけでなく、前月値が上方修正された。。

・PCE価格指数は前月比0.1%上昇、市場予想と前月は0.3%
・前年比は4.2%上昇、前月は5.1%(5.0%から上方修正)
・コアPCEデフレーターは前月比0.3%上昇、市場予想と前月は0.3%
・コアPCEの前年比は4.6%上昇、市場予想の4.5%を上回る、前月は4.7%(4.6%から上方修正)

チャート:3月はCPIと合わせ、鈍化トレンドを継続

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(作成:My Big Apple NY)

(カバー写真:deckhand /Flickr)

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