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オリンパス前CEO、自身の告白本の映画化も視野にアメリカ行脚

by • December 4, 2012 • Latest NewsComments (0)2436

Olympus Ex-CEO, Blowing His Horn To Turn His Book Into A Movie.

オリンパス巨額損失隠匿・粉飾会計事件で2011年に一躍「ときの人」となった元最高経営責任者兼社長のマイケル・ウッドフォード氏。朝起きていつものようにCNBC「Squawk Box」をつけたら、出演していてビックリしました。

なぜ今、イギリス人の彼がアメリカに??

CNBCが与えた彼の称号は「CEOから内部告発者へ(From CEO to Whistleblower)」。こんなセンセーショナルなヘッドラインなら、 視聴者の目を引かずにはいられないでしょうね。

常にうっすら笑みを浮かべたウッドフォード氏が発するノール・リリコ調の声に、ブリティッシュ・イングリッシュが心地よく流れてくる。風貌は日本人からみたらしがないサラリーマン、アメリカ人から見たらたって温厚でおとなしそうなアジア系イギリス人(注:父親の家系にアジア人がいたという話です)といった感じのウッドフォード氏ですが、この人は声という武器を持ってますね。淀みのない滑らかな口調から「ヤクザ」という言葉が出てくると、ハッとさせられ真実味が一味違いました。彼の口調のせいか司会のベッキー・クィックは共感するように聞き入り、CMに切り替わる瞬間にオフマイクから漏れ聞こえた声は「That is not normal(普通じゃない)」です。

事件の顛末は日本にいらっしゃる皆様ならご存知でしょうから割愛するといたしまして。

CNBCに出演しているのは他でもなく、自身が渾身の力で書き下ろした告白本「Exposure」発売のプロモーション行脚に出ているから。CNBC以外にもロイター、ウォールストリート・ジャーナル、フォーブス誌オンラインなどで取り上げられてましたよ。ウッドフォードさん、午前5時前に起きて午後10時まで3ヵ月にわたって無我夢中で書き続け、睡眠薬を服用しアルコールに癒しを求めた日々は奥さんと2度目の離婚危機に陥っただけに、成功の甘い果実をつかみ取る努力は怠りません。

CEOとしては約半年ですが、子会社を含めると約25年のベテランだったウッドフォード氏。

しかも映画化が掛かっているとなれば、腕まくりモノでしょう。ロイターによると、すでにイギリスが誇る元諜報員のスパイ小説家、ジャン・ル・カレ(本名デビッド・コーンウェル)とその息子による映画製作会社ザ・インク・ファンクトリーが名乗りを上げているんですって。同製作会社の他にも複数が食指を伸ばしているといい、ウッドフォード氏自身は「多分、(ザ・インク・ファンクトリーの)スタイルが好きだから、彼らに決めるんじゃないかな」と言ってましたが、より良い条件を求めるのは人間のサガです。

ザ・インク・ファクトリーにとっても、話題性の高さを踏まえてもぜひ契約をつかみとりたいところ。同社は2010年に設立されたばかりで、父親である偉大な作家ジョン・ル・カレ作品の「Our Kind Of Traitor」などを手掛けております。ただし、カレ作品ではすでに007シリーズでボンドを射止めていたピアーズ・ブロスナン主演「テイラー・オブ・パナマ(The Tailor of Panama)」、さらには秀作と呼び声の高い「ナイロビの蜂(The Constant Gardener)」はすでに他製作会社に映画化されてしまっているので、二匹ならぬ三匹のどじょうも厳しそうです。

「ナイロビの蜂」、死んだ妻の不貞を怪しみながら謎を解き明かす夫のレイフ・ファインがメロドラマ風。

そのせいか、プロジェクト一覧には「Untitled Vin Diesel Film(ヴィン・ディーゼル主主演する無題の映画)」まで、掲載されています。正直ヴィン・ディーゼルの知名度は「Fast and Furious(ワイルドスピード)」シリーズくらいで、「トリプルX」すら忘却の彼方へ消えつつある旬を過ぎた俳優さん(私はどちらかというと好みですが)。その彼の名前を引っ張ってくることを考えると、必死さが伝わってくるというものです。

では、実際に映画化されるのか?ウッドフォード氏の告白本をみると、本人がCNBCに出演した4日の午後10時30分時点で、アメリカのアマゾンの「ビジネス・投資部門」で17位でした。全米が注目!!と言っていいかは、疑問です。映画化されたとして、お金を払って日本企業の腐敗に迫るドキュメンタリー映画を観に行く人がどれだけいるのか、こちらも未知数。むしろ、中国企業との闘いを描いた方が今の時代にマッチしてそう・・と思うのは私だけでしょうか。CNBCの「Squawk Box」がウッドフォード氏のインタビュー時間をプライムタイムの午前7時ではなく、午前6時半前の扱いにしたことでも、想像できるというもの。日本人の私としては、ソニー傘下のコロンビア・ピクチャーズが製作するなら、見てみたいかな・・。

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