Holiday Sales Did Not Rise Above The Fiscal Cliff.
ホリデー商戦といえば、オンライン売上高が史上初の10億ドル突破を記録し、鳴り物入りでスタートしました。
ふたを開けてみれば、惨敗に終わりましたね。
米マスターカード・アドバイザーズの調査会社スペンディングパルスが25日明らかにしたところ、10月28日-12月24日の小売売上高は前年比0.7%増と、市場予想の3-4%増を大幅に下回りました。前年同期の2%増の半分以下にとどまっただけでなく、金融危機が米国を揺るがした2008年以来の低水準に終わっております。
戦犯は、間違いなく「財政の崖」でしょう。12月には入って怒涛のごとく報道合戦が過熱し、金融専門ケーブル局CNBCにいたっては「Rise Above」なんて特別枠まで設けて連日報じていましたから、家計に直接打撃を与えたことはいうまでもありません。
5万-7.5万ドルの世帯主で年間2400ドル(20万5000円)の負担増、財布の紐は堅くなります。
もう一つの要因として、ハリケーン「サンディ」の影響も確かにあったでしょう。地域別でみると、最も売上不振だったのはハリケーンやクリスマス直前に積雪に見舞われた北東部と中西部。大西洋側中部では3.9%減、北東部では1.4%減でした。
でもねー、ハリケーン「サンディ」の影響はそんな大したもんじゃないと思うんですよ。先ほども申し上げましたように、ハリケーン後に訪れたブラックフライデーでの売上高は既存店がイマイチだった一方で、オンライン売上高は絶好調でしたからね。むしろハリケーンで足止めを食らった顧客がネットに駆け込んだ感がアリアリかと。12月にセールが本格化するなかでは、オンライン売上高だって押し上げられてもおかしくなかったはず。ところが結局、前年比8.4%増と過去18ヵ月間でみられた15-17%増に遠く及ばなかったんです。既存店・オンラインとも、今回は残念な結果に終わりました。
従って、個人的に「財政の崖」に並ぶ敗因は
小売業者のみみっちい値下げ!!
これに限ると判断しています。だって金融危機後のホリデー商戦、5割引きから7割引きなんて当たり前で、下手したら9割引きなんていう出血大サービスも珍しくありませんでした。それが今年は「Buy 1 Get 1 50%off(1つ買えばもう1つが半額)」だとか、「50%OFF every $150(150ドルのお買い上げごとに半額)」だなんて、せっこいセールが目立ったんですよ。
この時期に150ドル使って30%安だなんて、私なら別のお店に足を向けます!!
消費者としては「財政の崖」で増税ドキドキなところに、こんな加トちゃん的「ちょっとだけよ」セールされちゃ、買う気も失せるんじゃい!!と怒鳴りたくなります、はは。みみっちい商売をする相手にする気が失せ、今年は私、家人の姪っ子甥っ子をはじめとしたクリスマス・ギフト、大型店舗を利用してません。会社近くのブライアント・パークに集うホリデーマーケットで全部こなしちゃいました。どうせ売上に貢献するなら、値引きが大したことなくても良心的な価格でもって良品で勝負する小規模店を応援したくなっちゃいますもの。もちろん「No Chewing Allowed」のトリュフを大人買いしたことは、いうまでもありません。
小売業者は12月の小売売上高の15%を占めるクリスマス後の土壇場の1週間に望みをつなぎたいところでしょうが・・・ギフトカードの使用で多少は潤っても、値引きでパーになってしまうような気がします。既存店の入店客をもとに調査するショッパートラックも19日、11月-12月の2ヵ月間にわたるホリデー商戦の売上高を従来の3.3%増から2.5%増へ引き下げてましたしねぇ。
【追記】
今年のホリデー商戦、フタを明けてみると全米小売業界(NRF)の調査では前年同期比3.0%増の5798億ドルでした。2012年10月時点の予想である4.1%増の5861億ドルには届かず。今年はホリデー期間が32日間と通常より長く、クリスマス直前に週末を挟んだんですよ。ただ財政の崖への不透明感を引きずり、かつ値引き幅が過去2年間に比べ消極的だったことが敗因となって、勢いに乏しいものとなりました。私も今年は、大型テレビの買い替えを見送りましたよ・・。
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