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極上のフュージョンに耽溺 at ダブテイル

by • January 22, 2013 • Restaurant ReviewsComments (0)2230

Dovetail Offers A Great Ensemble Of Cuisine.

ロングアイランド・シティに住んでいるだけあって、ミッドタウンからなかなか北上しないワタクシです。そんな怠け者な私を見かねて、家人が連れて行ってくれたのがこちら、ダブテイル。ダコタハウスがある72丁目からわずか5ブロック先にあるだけに、門前構えからして、敷居の高さを感じさせます。シェフがパリのタイユバン、カリフォルニア州ナパ・ヴァレーのフレンチ・ランドリーでシェフを務めたジョン・フレイザーと聞けば、納得でしょ。「Dovetail=ありつぎ」と言う名の通りフレンチのこってりから和のまろみなど、世界に名だたる食文化を掛け合わせた味が自慢。もちろん、2010年にはミシュランからひとつ星を獲得済みです。

アメリカン・フュージョンを提供するこちら。階段の先に広がる美食の空間は、意外にも簡素。まるでフレイザーが奏でる食のシンフォニーが主役と言わんばかりに、味気ないんですよ。パリッとした白いコットンシャツに黒ベストを合わせて控えるウェイターも、コンサートホールに立つ音楽家を連想させます。

来客も、不思議に黒装束が目立つのもさすがコンサバなアッパーウェストサイドのレストランの典型と言えるでしょう。火曜の午後7時の段階で、黒い衣装を身にまとっていないのは白いシャツを着た家人だけ。年齢層も35歳アッパーで、身なりの正しい老夫婦が静かに食事を召し上がっている姿が実に様になるレストランです。

お食事はといいますと。

これ、英語で言うamuse bouche、日本語でいう「お通し」です。それで、この優美さ!!
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キャビアをいただいたこちらはスープではなくパンナコッタ。まさかピリッと引き締める隠し味がカレーだなんて、誰が思いつくことでしょう。

前菜なんて、触れなば落ちんばかりにホロホロした鮭肉を湯葉風の皮で包んで優美ななかにやるせなさを感じる。

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鹿肉のタタキ。噛んだ後からにじみ出る肉汁でもう昇天しちゃいます。
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デザートでも、徹底的な美の探求をやめません!
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ワタクシ達は前菜、野菜、メイン、デザートの4カテゴリーからそれぞれ1品ずつ選ぶ85ドルのコースをチョイスして・・これが大正解。前菜からデザートまで、シェフの創造力と海を越えた食の知識が織り成す逸品に耽溺してしまいました~。

ただし、世の中になかなか完璧なものはないんですよねシェフのテイスティング・メニューが138ドルで用意されているんですが、こちらのオーダー、2人からなんです。そう、2人で出掛けた場合、寿海のように1人が好きな1コースを選べる自由がないんです。寿海は人手不足が明白だったんで納得しますけど、こんな大型レストランでこれじゃー、鼻持ちならないなぁって気にさせられてしまいます。だって4カテゴリーから1品を選ぶにも、味わいたい食材が見つからないなんてこともありますし。こちらに2人で伺う際には、味にうるさい方の場合予めメニューを確認することをおススメします。手始めに、日曜ブランチ32ドルから味わう手もありますよ。

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