21世紀には、21Clubで舌鼓☆

by • July 17, 2010 • Restaurant ReviewsComments (0)2232

52丁目は5thアベニューと6thアベニューの間を歩くと、かわいらしくも品のあるジョッキーの整列が目を楽しませてくれます。古き良きおもちゃ屋と一線を画すように、黒塗りの門が、まるで無粋な通行人を遮る壁のようだからかもしれません。

ここは21Club .1922年創業のNYの老舗レストラン。禁酒法時代にモグリのBARとして誕生したお店は、何度かの引っ越しを経て1929年の大恐慌時代、NYが一大建設ブームに沸いた頃、ここに移動してきました。先見の明があったオーナーが、ロックフェラー・ビル建設に合わせて、移動させたのです。読みは大当たりで、今となっては、押しも押されぬマンハッタンの名店として、その地位を不動のものとしております。

禁酒時代に産み落とされたこのBARは、時代の申し子であるかのように単なるBARをどんどん拡張させていったからこそ、今の姿があるのですよ。禁酒時代の折には、レンガの隠し扉で仕切った20人ほどが収容できるシークレット・ルームを用意したほど。その後は4階建てのタウンハウスという利点を存分に生かします。

↓ジョッキーが目印の風格ある店構え。

My Big Apple

自慢のワインセラーには、数々のセレブリティが利用しました。そのなかには、ジョン・F・ケネディ、リチャード・ニクソンをはじめとした元大統領、ビジネス界の大物としてギリシャの海運王アリストテレス・オナシス、銀幕の世界からはエリザベス・テーラーやマリリン・モンロー、サミー・デービス・ジュニアなど、そうそうたる面子だったとか。

さらに。フランクリン・D・ルーズベルトからクリントンまで、ほぼ歴代のミスター・プレジデントが訪れたと言います。大統領御用達のレストランと言っても、過言ではありません。ちなみに2009年にネクタイなしで入店できるようになりました。ジャケットは要着用ですけどね(ただし、着ていない場合は店側が貸してくれます)。

↓JFKも葉巻をくわねがら、ワインを楽しんだのでしょうか。

My Big Apple

そんな由緒正しきレストランに、えせ金融記者の私がN新聞のトップクラスの皆様、メガバンクが抱えるワシントン筋、そして大手ヘッジファンドの方々など、そうそうたるメンバーとご一緒できるとは。身に余る光栄とは、まさにこのことです・・。あらためて、ご招待下さったT様、そしてご同席をお許しいただいたみなさまに、ここに御礼申し上げます。

こちらのお店の特徴は、店の外に飾られるジョッキーのフィギュアが目印なとおり、おもちゃ。天井には隙間のないほど、飛行機やミニカーやらが吊り下げられているんですよ。

↓これ以上は、もう掛けられないんですって。

My Big Apple

N新聞の方は、ぜひ見せたい逸品があるとおっしゃるので、指さされた方向へ目を移しますと、あらビックリ。日本企業では唯一となる、ロゴ入りトラックがぶら下がっているではありませんか。NYへ赴任したどなたかが店員さんに声をかけて実現した名誉にも関わらず、残念ながら語り継がれていなかったんですって。今後はぜひ、代々のNY赴任の皆様の間で引き継いで下さいね~。

↓日本からいらしたら、ぜひ上をごらんになって確かめてください。

My Big Apple

黎明期のアメリカらしいフュージョン系のお食事は、力強さとパンチ力で圧倒しない程度に味つけしっかり、お腹ほっこりポーション。舌鼓を打ちながら、会話も弾みますぅ~。いろいろ勉強になるお話と合わせ、私の胃袋と脳みそに蓄積されていくことでしょう。

↓ポークはしつこすぎない脂っこさが魅力的☆

My Big Apple

米中間選挙、G20、ウォールストリート動向などなど、脳みそに栄養たっぷりなお話をうかがいつつ。私からは提供できる数少ないネタとして、原油流出事故におけるメキシコ湾シーフード状況を投下。湾岸地域での水揚げ量は、全米のシーフード消費量の2%程度を占める程度とお伝えしたんです。

するとN新聞の御大であるT氏、すかさず

「でもサブプライムは、そういわれながら金融危機に発展しましたよね」

はい~、おっしゃるとおりでございます。パイが小さいからとはいえ、負の連鎖が重なれば災禍は免れません~。

最近でこそ原油流出が食い止められられつつありますが、ワシントン筋の方が「実は微生物が原油を分解しているという話もあります」とおっしゃられたときは、目からウロコが飛び出しました。自然には元来、深海にある油田から原油が流出しており、それを微生物が処理しているのだとか。こんな話 もありますしね。なるほど~。

なぜ原油流出事故が発生してしまったのか、なぜ流出を止めるのにここまで時間がかかっているのか。流出を阻む作業がもう何十年も前と同じなのは、どうしてのなか。興味深い議論は尽きません。ここでワシントン筋の方ポツリ。

「人間って、同じ作業を回数とこなすと想定外の事件は発生しないと判断してしまう生き物なのです。今回の事件もそう。深海の掘削作業を何年も無事故で続ければ、事故への危機意識は低下する。同じことはを何度も繰り返すということは、確率論で言えば必ず失敗につながるリスクを増やすということなのに」

おっしゃるとおりですよね。私もついつい経験論を持ち出して「何年もAだったから、Bにはならない」と説明しがちです。反省反省。いただいたお言葉を胸に、精進します~。

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