Up in the Air、景気低迷期に輝いた秀作

by • October 15, 2010 • GossipComments (0)249

今更ながら、映画Up in the Air 、邦題マイレージ・マイライフを観賞しました。去年のオスカー作品にも名を連ねた秀作ですね(以下、IMDB参照)。

ジョージ・クルーニーが煮ても焼いても食えない、コミットメント・フォビアの典型の役柄でハマりまくってました~。まー、ジェイソン・リートマン監督・共同脚本はジョージがオファーを断った場合は相当セリフなどなど、手を入れるつもりだったそうですから、ピタリと合致するのは、むべなるかな。

↓多くの皆さんがご覧になったであろう、Up in the Air。

My Big Apple

必殺クビ切り仕事人、ならぬリストラ宣告プロフェッショナルのライアン(ジョージ・クルーニー)は、1年に270日空を翔る飛行機で過ごす男性。家にいることなんて、ほぼないわけですよ。当然そんな生活を送るだけに、結婚願望は欠片もなし。同じ会社の新人であるナタリー(アナ・ケンドリック)には、なぜ結婚したくないのか、という質問にも完膚なきまでにNOを浴びせ続けます。ここまで徹底していると、返って気持ちいいですね。以下、ダイアローグをご覧あれ。

Natalie Keener: You never wanna get married?
Ryan Bingham: Nope.
Natalie Keener: Never want kids?
Ryan Bingham: Not a chance.
Natalie Keener: Ever?
Ryan Bingham: Never. Is that so bizarre?
Natalie Keener: Yes. Yes, it is.
Ryan Bingham: I just don’t see the value in it. All right, sell it to me.
Natalie Keener: What?
Ryan Bingham: Sell me marriage.
Natalie Keener: Okay. How about love?
Ryan Bingham: Okay.
Natalie Keener: Stability. Just somebody you can count on.
Ryan Bingham: How many stable marriages do you know?
Natalie Keener: Somebody to talk to, someone to spend your life with.
Ryan Bingham: I’m surrounded by people to talk to. I doubt that’s gonna change.
Natalie Keener: How about just not dying alone?
Ryan Bingham: Starting when I was 12, we moved each one of my grandparents into a nursing facility. My parents went the same way. Make no mistake, we all die alone. Now those cult members in San Diego, with the sneakers and the Kool-Aid, they didn’t die alone. I’m just saying there are options.

このライアン、映画の冒頭で自宅に帰った直後に部屋にいたガールフレンドにあっさり別の彼氏ができたと報告を受けても、笑顔でおめでとうと言えてしまうほど。見事な執着心のなさで・・・。逆に、新たに出会った女性アレックス(ヴェラ・ファミーガ)にこう言われて返答できなかったのは、270日も機上で過ごすコミットメント・フォビア男の盲点を突かれたからでしょう。

Ryan Bingham: I thought I was a part of your life.
Alex Goran: I thought we signed up for the same thing… I thought our relationship was perfectly clear. You are an escape. You’re a break from our normal lives. You’re a parenthesis.
Ryan Bingham: I’m a parenthesis?

関係を持った相手にとって、自分の存在が彼らのリアルライフの「parenthesis=挿入句」でしかなかったなんて・・・。そんなことを言われて彼がどう感じたか、映画は物語ってくれません。

↓「I am a woman you don’t have to worry about」と言うだけあって、アレックスには驚きの秘密があったのです。まさに「Trap!!」

My Big Apple

リレーションシップのほかに、この映画の背骨となっているのが人間の生きる糧としての「仕事」でしょう。実は映画で解雇を宣告される人々、ほとんどが実際にリストラ経験者で映画の呼びかけに応じた一般人だそとか。だからこそ、妙にドキュメンタリー風味に仕上がっています。

リストラ宣告できないクライアントに代わり、全米各地を回って解雇通知の請負人を務めるライアン。そんな彼に、晴天の霹靂が訪れます。コスト削減を目指し、会社がナタリーが提案するWebカメラ式リストラ通知へシステムへの移行を伝えたのです。当然ながら、地に足をつけて生活しない一方で対面でのリストラ宣告にこだわるライアンは猛反対。なのでナタリーが彼氏と別れたとき、Text(携帯メール)で別れを告げるなんて、とすすり泣くナタリーに「Wow. That’s kind of like getting fired over the Internet」と痛烈な皮肉を浴びせてましたね。

↓アナ・ケンドリック、真面目な優等生ちゃん役にピッタリ!かつてのリース・ウィザースプーンを彷彿とさせます。

My Big Apple

この映画、実は監督でもあるジェイソンが2002年に書き上げていたらしいのです。ちょうどITバブル崩壊と同時多発テロ発生後の混乱した時代でもありましたが、2005年公開のThank you for smoking や2008年公開のJuno が先に花開いてしまったため、日の目を見るまでに時間が掛かったんですよ。これが実は功を奏しましたね。折りしもリーマン・ショック後の景気後退に落ち込む米国に、ライアンという男性と彼を取り巻く過酷なビジネス環境が、ひしひしスクリーン越しに伝わってきましたもの。珠玉のヒューマン・ドラマに仕上がりました。

ところで、この映画に登場するアメリカン航空の10 million club、実際には存在しません。ただし他の航空会社が行うように、渡航距離が100万マイルを超えた常連客には、特典があるそうです。他に気になるのがConcierge Key。こちらは実際に存在しまして、招待オンリーなんです。チェックイン、アップグレードなどなどで、大いに特典にあずかることができるそうです。アレックスがライアンにステータス・シンボルとして惹かれたのも、当然かなぁと思ってみたり・・・。

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