紅ならぬ、橙の豚。

by • February 2, 2011 • Restaurant ReviewsComments (0)1112

毎週雪に降られっぱなしで外出しづらいとはいえ、お腹が空くんです・・・。

気温がマイナス15度に到達し、体感気温はマイナス20度に差し迫ったある日曜。コートの繊維の隙間から突き刺さる寒気が痛い・・・。髪を束ねて耳を出して歩いておりますと、みるみるうちに紫色に変色するほど。でも、身体はエネルギーを溜め込もうと、食べ物を求めます・・・、というわけで、美食と飽食を求めて鳴るお腹に敬意を表し、SOHOを目指します。最近仲良くなったアメリカ人の写真家のお友達がグルメなので、「これが食べたい!」とピンポイント指名すると、間髪入れずに場所を提供してくれるのがステキ。本日が夕日が沈みかけたウェスト・ブロードウェイの先にある、Boqueriaです。

柔らかな照明が温かく、木造りの店内が心地よさげなエッセンスを加えるこのお店は、タパスが専門。シェフはかつてフロリダのWサウスビーチで腕を振るった、Marc Vidalです。彼はタイム誌が「食のオスカー」と称するJames Beard Awardのセミファイナリストでもあるので、その味は確かですよ。スペインはバルセロナ出身ですから、まさにこの店にしてこのシェフあり、です。

↓定評があるのは味だけではなく、甘いマスクだったり?

My Big Apple

期待に負けず、お料理はなかなかでございましたよ。まずは、Gambas al Ajilloからいただきます。その名の通小ぶりながらお肉がプリっと引き締まった海老に、ガーリック、オリーブオイル、パセリを交えただけのシンプルなお料理。海老好きにはたまらない一皿ですな。

↓海老だけでなく、残ったオリーブですらパンにつけて食べちゃいたい!

My Big Apple

Txipironesという名の、イカのフライもサクサクでサングリアとも相性が良いのです。でも何より、私のお気に入りは、こちら。Huevo Estrelladoです。「卵焼き」という味も素っ気もない名前とは裏腹に、凝ってるんですよ。クルトンとポテトがたっぷり加えられボリューミィに仕上がりつつ、極めつけの味が加えられているのです。何かといいますと・・・パタネグラ!パタネグラとは、端的に申し上げるとハム。ハムと言って落胆してはいけませんよ。これ、ドングリで飼育された栄養満点、ふるいつきたくなる肉質のイベリコ豚を使用しているんです。熟成させて仕上げた、美味極まりない逸品というわけ。うーん、微かにスモーキーながらシマリがあって、ほっくりした卵とポテトと、絶妙のコントラストを利かせてます。

↓ブランチで食べるには、もったいないプチ贅沢な味。

My Big Apple

余談ですが、調べたところによると、スペインのサッカー中継では「ブラボー」という意味で「パタネグラ!」と絶叫するそうな。確かに、オープンキッチンに無造作に置かれた豚、橙色でパタネグラの原型としては、色艶からして他の追随を許さない見事さです。しかしドングリを飼料とするだけに肉質が変わるって、おもしろいですね。われらの神戸牛がビールで脂を育成させるのとは、また別格ですな。

↓パンプローナの丘に沈む夕日は、こんな橙色なのでしょうか・・・。

My Big Apple

Boqueriaは、SOHOだけでなく19丁目にもございます。挑戦される方、タパスとはいえ小さ過ぎないポーションなので、オーダーのし過ぎにお気をつけ遊ばせ・・。

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