前週末、ロング・アイランド随一のビーチ、ロング・ビーチからの帰り道、お友達のフレンチ・アメリカンの電話が鳴ったんです。受話器にでるとともに、激しく同意し始める友人。何事かと思ったら、「I saw a few people in decent shapes on the beach!!」ですって。
確かに・・ビーチにはでっぷり太った中高年から、ビキニのボトムからはみ出す太ももに浮かぶセルライトが痛々しい20代前半の女性まで、明らかに肥満率の高い人々が大半を占めていたんです。さらにフランス系の友人が訪れたブロンクスのビーチでは、ヒスパニック系の住民が多いせいか、そろいもそろって全員、アウト・オブ・シェイプだったそうな。
↓そう言われて写真をまじまじ見ると、引き締まった筋肉美は見当たりませんな。
フランス系の友人も、彼の友人のプエルトリコ系も、ワークアウトや自炊で体型維持にいそしむタイプ。おまけにフランス系にいたっては、ワークアウトも食事制限も何もしなかったお父様を亡くしたばかりとあって、自分の身体を管理しない人々にはありとあらゆる手段を用いて啓発しようと心がけるほど。私の食事がインスタントラーメンづくしと知った時には、家まで押し掛けて手料理をふるまってくれるたことも、記憶に新しい。最近では彼に鞭打たれ、私はジムに通ってます・・。
比較的スリムな方々が多いNYですらワークアウト好きの私の友人が目を丸くするほどの肥満率だったので、ざっとアメリカの数字を調べてみました。
トラスト・フォー・アメリカズ・ヘルスとロバート・ウッド・ジョンソン・ファウンデーションの調査によると、2010年で最も肥満成人が占める割合が高かった州は、ミシシッピ州で34.4%。7年連続で1位を確保したかたちです。フライドチキンに砂糖たっぷりアイスレモンティーなどなど、油と糖分たっぷりの食べ物がサザン・ホスピタリティなだけに、圧倒的ナンバーワンを堅持しております。南部は2010年に肥満率(ここでは身長と体重で測るBMI指数)が30%を超えた12州のうち9州を占める有様でした。
反対に肥満率が最も低い州は、コロラド州。南北に連なるロッキー山脈をいただくだけに夏はマウンテン・スポーツ、冬はウィンター・スポーツと、アウトドアを1年中満喫できることが、肥満率を低水準で抑える秘訣でしょうか。
↓雄大なる自然に育まれれば、スポーツしなきゃ損ソン?
と、ここまでは予想通りの結果。しかし・・・。
驚愕の事実が潜んでいるのです。コロラド州における2010年の肥満率19.8%、この数字、1995年当時では全米で最悪だったんですよ・・。この15年間で、一気に肥満率が急伸したことが分かります。まるでクリントン政権に黒字化した財政赤字が、一気に膨らんで過去最悪を突破したかのようですね。肥満率が30%を超えた州も、2006年当時はミシシッピ州ただひとつ。今では、前述のように12州へ跳ね上がりました。
ちなみにNYの肥満率は、41位の24.7%。全米50州で下から9番目です。体型キープが州民の誇りとも言えるカリフォルニア州も24.8%で20位。大都市ではスリムなセレブを毎日扱うメディア、外国人率の高さ、さらに食生活のバラエティの豊富さを頼りに、全米では低い水準を保っております。それでも、成人人口のうち20%以上を占めるんですなぁ。
↓金メダリストのショーン・ホワイトは、カリフォルニア州出身ですね。
今回の調査で唯一の朗報は、肥満率が前年から上昇した州が16州だったこと。はは、確かに 2ケタで多いです。でも2009年時点では28州でしたから・・・改善が進みつつあると信じたいですね。
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