ネットやFBで飛び交う、「米国特許保護法」反対運動

by • January 19, 2012 • NY TipsComments (0)1178

※追記:20日に米上院議員のリード議長は24日の採決先送りを決定しました。

1月24日は、Ecofin(EU財務相会合)がイタリアで開催されるだけでは、ありません。この日は、インターネットを通じた表現の自由における、運命の日です。
何かと申しますとPIPA(Protect IP Act、米国特許保護法)が、米上院で採決される日なんですよ。PIPAとは、グーグルやウィキペディアなど大手インターネットサイトを中心に、猛反対している法案です。知的財産を侵害し、かつ企業秘密を暴露するサイトにつき、米国の司法が検索エンジン、決済サービス、ソーシャルネットワークなどに対し、掲載停止を命じる権限を与える法案なんです。米下院では、SOPA(Stop Online Piracy Act、オンラインでの海賊行為禁止法案)と呼ばれています。もともとは2011年10月、米司法委員会委員長を務めるラマー・スミス委員長(テキサス州選出)が提案しました。
↓ある日グーグルを開いたら、こんなことになってたりして・・。

My Big Apple

著作権を有するレコード会社や映画会社などメディアを中心とした大企業が恩恵を受けるこの法案は、米国にネット上での表現の自由を検閲する権限まで与えてしまうという、情報の独裁を許す内容です。オバマ米大統領は14日の声明 で、「オンライン上での海賊行為に立ち向かういずれの努力は、法律で認められた検閲行為のリスクを回避せねばならず、ダイナミックな大なり小なりのダイナミックなビジネス活動の革新を抑制してはならなない(Any effort to combat online piracy must guard against the risk of online censorship of lawful activity and must not inhibit innovation by our dynamic businesses large and small.)」との見解を明らかにしていました。
ご存知のとおり、グーグルは18日に法案への抗議として、おなじみ「Google」の文字を黒く塗りつぶしてましたね。英語版のウィキペディアも、SOPA法案に抗議するため1月18日から24時間のサービス停止に入りました。Facebookを通じアメリカ市民の間でも、この話題は大きく取り扱われていますよ。
↓FBではメッセージの部分を、検閲に対する皮肉でこちらもブラックアウトさせてます。
My Big Apple
ウィキリークスのせいで、米国の機密情報が漏えいした腹いせなんですかね。驚くべきことに、このサイト をみると、支持者が多いんですね・・・。米上下院の議員全体をみると、現時点で支持が80人、不支持が31人となっています。ちなみに共和党の米大統領候補では、ロン・ポール米上院議員(テキサス州選出)が反対してます。
米議員の支持者の多くが、著作権が収益に直結するメディア企業からの政治献金を受けていました。SOPAを提示した米下院・司法委員長のラマー・スミス議員の場合、2010年の選挙にてTV・映画・音楽業界から9万850ドルに及び、コンピューター・インターネット関連の4万7250ドルの2倍強に当たります。
日本の皆様にも、他人事ではないお話だと思います。ご関心のある方は、グーグルでの法案撤回署名運動 にご参加下さい。

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