共和党の大統領候補であるミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事がペンシルベニア州などを含む複数の予備選で勝利宣言したその夜、別のドラマが幕を開けました。
24日から25日へ日付けが変わってから30分後、午前12時35分から始まるトークショー、Late Night with Jimmy Fallon」。その夜はNBCのスタジオを飛び出しノースカロライナ大学での収録でした。トークショーの代名詞ともいえるデビッド・レターマンやジェイ・レノの番組後に放映され、どちらかというと若者向けのショー。でもって、今回は学生に囲まれての特別版です。
現役大学生を前に、ジミーは「皆はオバマ米大統領が米議会にスタッフォード・ローン(貸与型の学生ローン)金利の引き上げ阻止を訴えているニュースは知っているだろう?」と語りかけ学生のハートをキャッチ。勢いをつけ「このニュースをジョークのネタにしようかと思ったんだけど、そんな必要ないだろうと思って、ニュースでスロー・ジャムすることにしたんだ。しかも伝えるのは僕だけじゃない!!」と叫んだ瞬間、赤いカーテンがサッと開いて・・・登場したのは、オバマ米大統領その人です!!
↓ノースカロライナ大学の学生にとって、人生でベスト3に入るサプライズだったこと間違いなし。
ジミーのショーにはフィラデルフィア出身の異色ヒップホップ系バンド、ザ・ルーツが毎回ショーを盛り上げているだけに、舞台は充分整っております。ザ・ルーツが奏でる心地良いアコースティックなベースに合わせ、ショー でオバマさん、自慢ののどを披露です!!
マイクをもっていわく、
「この7月1日、スタッフォード・ローンの金利、皆さんの多くが学費の支払いに利用するローンが2倍引き上げらてしまう。私は米議会に引き上げを阻止するよう要請しているんだ。われわれの主張は単純で、今、若者の教育コストを引き上げるべきじゃない。(On July 1st of this year, the interest rates on Stafford student loans, the same loans that many of you use to help pay for college, are set to double. . . . I’ve called on Congress to prevent this from happening. What we’ve said is simple: Now is not the time to make school more expensive for our young people)」
対してファロンがスロージャム風の低い声で
「オーイエー・・・みな、大統領、いやアメリカの大統領の声を聞けよ。閉じられたドアの向こうで、議会は燃えてるぜ。大統領は派閥を超えて電話をかけ、『ヘイ、今この問題でこそまとまろうぜ』って訴えてる(Awwww Yeah..You should listen to the president — or, as I like to call him, the Preezy of the United Steezy. . . . Things are heating up inside of Congress’s chambers, behind all those closed doors. So the president made a few discreet calls across the aisle. He said: “Hey, let’s get together on this one.” . . .)注意;赤字の表現は語尾に「zy」をつけるヒップホップの流行語にちなんだもの。
味付けにザ・ルーツのMCであるブラックソートは「もし米議会が行動できないなら、学生が犠牲になるんだ。右派も左派も、引き上げ阻止に動かなきゃならない。そう、キム・カーダシアンとカニエ・ウエストみたいに(If Congress doesn’t act, it’s the students who pay. The right and left should join on this, like Kim and Kanye,)」注意;キムとカニエはソーシャライトのアルメニア系の女性とヒップホップ黒人との異色カップル。
↓ジミー(一番手前)、中央のオバマ、奥にブラックソートのカメラワークでスロージャム☆
ニュースでスロー・ジャムの仕上げに、オバマ米大統領はロック・ミュージシャンよろしく、マイクを舞台に投げ捨てるパフォーマンスも披露。ジミーも真似してマイクを落とし、会場は大喝采です!!いやーホントにオバマさん、ステージ慣れしてますわ。ソウル界の大御所BBキングとデュエットしたり、アル・グリーンの名曲「Let’s Get Together」を披露した経歴もあるだけに、魅せることを知ってます。
歴代の大統領で生演奏と言えば、アーカンソー州知事時代にザ・アーセニオ・ホール・ショーに1992年に出演舌クリントンさんがいますね。
トークでは再び、学生ローンの金利負担を軽減する制度の延長をアピールしてました。彼自身、ミシェル夫人とともに結婚当初からローン返済に終われ「8年前にやっと学生ローンを払い終えた」と明かしつつ、いま金利を引き上げたらとんでもないことになると強調してます。
↓掛け合いもバッチリ。さすがオバマさん、くだけたトークで学生と共感することを忘れません~。
学生ローンの金利負担軽減については、ミット・ロムニー候補も反対の立場をとっております。とはいえ、ABC がギャラップの調査に元に伝えたところ、オバマの支持率は18-24歳の間で64%と、ロムニーの29%を大きく引き離しています。25-29歳の間では23ポイントの差をつけているとか。2008年の米大統領選での開票をみると、若手層の66%はオバマに投票し、マケインの投票率は32%でした。
ただし、2012年4月の段階で、大統領選挙で確実に投票するという若手層は56%と、30歳から65歳までが80%以上であることと対象的なんですよね。オバマの美声、若手層のハートを再びつかみとることができるのでしょうか。
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