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FOMC開催中、バーナンキ議長は3期目はなしとの報道相次ぐ

by • October 24, 2012 • Latest NewsComments (0)1692

Third Time May Not Be The Charm For Bernanke.

なんだかなー・・。本日から米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されているのに、こんな仕打ちが酷いと思うのは、私だけでしょうか?

バーナンキFRB議長のことです。

ベン・バーナンキ氏は2006年2月1日からブッシュ前米大統領の指名のもとFRB議長に就任し、2010年にオバマ米大統領が再任いたしました。就任してまもなく2006年4月末、CNBCが誇る敏腕美人キャスター、マリア・バリチェロモとホワイトハウスの年次記者晩餐会で遭遇して「あと1回追加利上げをする」と漏らした他は、大きなスキャンダルもなく。米議会やマーケットから批判を浴びようとも、経済への感応度を確実かつ地道に計算しながら金融政策を舵取りしてきました。

日本に対し経済危機への処方箋として金をバラまけと主張したため「ヘリコプター・ベン」というニックネームをもつように、米国でも2008年11月に「衝撃と畏怖(shock and awe)」と呼ばれた量的緩和第1弾(QE1)を始動。2010年11月にはクィーン・エリザベス2号もといQE2、2011年9月にはオペレーション・ツィスト、2012年9月にはQE3に踏み切りましたね。

「ヘリコプター・ベン」フィギュアが製造されるほど、世間の注目を集めました。

テニスが好きなグリーンスパン前議長とは異なり、バスケットボールに興じるバーナンキさんは完全無欠のチームプレーヤーであることでも知られます。スーツでは大学の学長を思わせる超然とした姿が印象的ですが、ファンであるワシントン・ナショナルズの野球帽をかぶったバーナンキさんは、近所の区民会の会長さんらしい気さくさを醸し出してます。私が駆け出し記者の頃、一橋大学を講演で訪れたバーナンキさん(当時はFRB理事)に囲み取材したときと、実直な面持ちは変わりません。

そのバーナンキさんが・・・2014年1月末の任期切れで退任するというのです。3期目なしってことですね。19日付けのマーケットウォッチから本日のニューヨーク・タイムズ紙まで、引退合戦が相次いでます。何回も繰り返しますが、FOMC開催にあたってこのネタは、ちょっと寒々しい気がしますなぁ。

まー、ロムニー候補が大統領になれば再任しないとフォックス・ニュースで宣言してましたから、こういう観測が大統領選前に浮上してもおかしくなかったんでしょうね。逆にオバマ米大統領が再選され、かつ景気が回復してもバーナンキ議長が華々しく大喝采を浴びながら引退する可能性があるといいます。

メリーランド大学で米国政治教授を務めるアーウィン・モリス氏は、19日付けのマーケット・ウォッチの取材に対し「両リーグでワールド・シリーズ制覇という偉業を達成してから引退した「カージナルスのトニー・ラルーサ監督(当時)のように、有終の美を飾るだろう」と予想していました。

ラルーサ監督。オールスター戦で監督復帰したのは、彼で史上2人目なだけに偉大さが分かります。

仮にバーナンキ議長が退任するつもりなら、今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)はイベントなしとみられていますが、議事録が俄然注目されます。オペレーション・ツィスト終了後の政策動向を見極めるだけでなく、バーナンキ議長が力を入れていたコミュニケーション手段の変更に向けた協議内容が垣間見れますから。時間軸から失業率やGDPなど数値目標へシフトするか、あるいはFOMCでのFF金利コンセンサス予想を発表するか、ドキドキしますね~。

ではFRB議長の後任には、誰が挙がっているのでしょう?

NYタイムズ紙のコラムニストで、金融危機の背後に迫るドキュメンタリー「Too big to fail(リーマン・ショック・コンフィデンシャル)」の著者であるアンドリュー・ロス・ソーキン氏は、オバマ米大統領にとってのFRB議長候補の最右翼は、サマーズ前国家経済会議(NEC)議長と指摘。ただし、バスケット好きなバーナンキ議長ほどチームプレイヤーでない点が問題視されているもようです。またジャネット・イエレンFRB副議長のほか、オバマ米大統領から留任を懇願され続けながら再選後に米財務長官を辞任するとみられるガイトナー氏も、候補の一人。NY連銀総裁時代、金融危機を乗り切った功績を買われ就任する可能性が取り沙汰されてますが・・仮に実現すれば、ウルトラCですな。

ガイトナー財務長官、今のうちにFOMCの運営方法を指南してたり?

ロムニー候補が大統領に就任した場合、最も有力視されている候補はブッシュ政権時代に米経済諮問委員会の委員長を務めた現コロンビア大学教授のグレン・ハバード氏。ハバード氏の次にCEA委員長に就任したハーバード大学のグレゴリー・マンキュー教授や、ブッシュ政権下で財務長官を務めたスタンフォード大学教授のジョン・テイラー氏も候補に挙がっています。テイラーさんやハバードさんだと、バーナンキ議長とは打って変わった政策運営になりそうですねぇ。

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